研究概要 |
平成13年度の研究成果として,浄化機能が高く,強度も高いポーラスコンクリートの空隙特性並びに骨材の結合材としては,それぞれ粗骨材の粒径5〜13mm,空隙率25%で,高炉スラグをセメントペースト中に50%およびFe型人工ゼオライトを20%混入したものであることが判明した。しかし,水質浄化機能が時間とともに低下することが観察されたので,この原因として,ポーラスコンクリートに付着した生物の活性の低下すなわち溶存酸素量の低下および汚濁負荷量が過大ではないかと考え,前述の配合のポーラスコンクリート並びに比較用に骨材粒径13〜20mm,空隙率25%で,高炉スラグおよびFe型人工ゼオライトを含むものと含まないものとを用い,エアレーションをする場合としない場合の計6ケースについて,リンおよび窒素の除去率を指標とした水質浄化機能に及ぼす影響を検討した。 その結果,エアレーショシを行い溶存酸素量を高い水準に保った方が,水質浄化機能の時間による低下が少ないことが分かった。しかし,その差はリン,窒素の除去率とも大差はなく,溶存酸素の違いによる影響は顕著でなかった。なお,ポーラスコンクリートへの流入水と流出水とのDOの差,すなわち,DO消費量は,エアレーションの有無で異なり,エアレーションを行うと消費量がほぼ一定を保ち、付着生物の活性が一定の水準に保たれていることが分かった。一方,汚染負荷量の大小による浄化機能の水準については,明確な差が認められなかった。
|