研究分担者 |
三村 衛 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00166109)
建山 和由 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10179731)
岡 二三生 京都大学, 工学研究科, 教授 (10111923)
小高 猛司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00252271)
木村 亮 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30177927)
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研究概要 |
本研究では,軟岩や過圧密粘土特有の現象である,ひずみ軟化および時間依存性挙動を表現できる数学モデル(構成式)の確立と,軟岩や過圧密粘土で構成される斜面の安定を論ずる際に問題となる進行性破壊現象の把握を目的とし,遠心模型実験および有限要素解析を行った.さらに,軟岩の時間依存性挙動を過剰間隙水圧の時間的変化に伴う有効応力状態の変化としてとらえ,水との速成問題として境界値問題への適用を行い,実際の斜面崩壊例への適用を行った. 軟岩や過圧密粘土の特徴として,ひずみ硬化-軟化型の応力-ひずみ関係を呈し,さらに,ひずみ軟化に伴い正のダイレイタンシーが顕著に表れるごとが挙げられる.本研究では,降伏関数を応力履歴テンソルで既定したひずみ軟化型弾塑性構成式の構築を行った. 遠心模型実験では,ひずみ軟化挙動を呈する過圧密地盤を模擬するため,深草粘土に石膏を混入した合成材料を用いて模型地盤を作成した.模型地盤に設置したターゲットより,変位場およびひずみ場を求め,斜面の進行性破壊のメカニズムについて考察を行った. さらに,地盤材料について材料試験を行い,決定したパラメータよりひずみ軟化型構成式を用いた水-土連成有限要素解析を行い,実験結果ならびに解析結果より斜面の進行性破壊現象に関して考察した. ひずみ軟化型弾塑性構成式に基づいた水-土連成有限要素解析によって,実際の第三紀層泥岩(堆積軟岩)地盤における切土斜面の進行性破壊現象を対象とした解析を行う.実際の挙動と解析結果を比較することで,本解析モデルの妥当性および有効性についての議論を行う.
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