研究分担者 |
三宅 正弘 徳島大学, 工学部, 助手 (50335783)
滑川 達 徳島大学, 工学部, 講師 (40332811)
近藤 光男 徳島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10145013)
三谷 哲雄 流通科学大学, 経済学部, 助教授 (80289115)
小谷 通泰 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (00115817)
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研究概要 |
本研究では、混合交通状況を考慮した自転車の利用空間整備計画・設計の際に必要となる設計基準の構築を目的としている。そのため、混合交通のリスクを予測するモデルを開発し,サービスレベル評価方法の開発を行い,自転車・歩行者混在空間における通行区分施工の効果分析を行った。 1)平成12〜13 利用者リスク感知予測モデル:歩行者と自転車、自転車同士、自転車と車いすの錯綜状態を模擬的に再現し、主体がリスク感知した位置を観測して、それぞれについて回避距離、速度、車種、被験者属性を変化させてリスク感知を調べる実験を行った。これから各主体が錯綜時に感知するリスク(Risk Perception)を交通主体の速度・密度、回避間隔、退避空間などのミクロな流動条件から予測するモデルを開発した。 2)平成13〜14 混合交通の評価方法 上記予測モデルをもとに、主体別交通量、速度分布、通行位置などのマクロな交通条件と、街路の幅員といった空間条件からリスク・パーセプション強度を推計する手法を用いて、交通量、平均速度、瞬間交通密度などのマクロな交通条件とリスク感知有無との関係を分析して、リスク量から混合交通の望ましさを計る方法を策定した。 3)平成13〜14 ニアミス強度を用いた混合交通のサービスレベル評価方法 歩行空間内での歩行者・自転車の混合状態をビデオ観測して,0.1秒ごとの主体別の位置,速度から各主体のニアミス状態にある確率(ニアミス強度)を上記のモデルによって推計し,時間当たりに算定する.この指標を用いてサービスレベルを設定することで,通行主体の体感する走行環境の望ましさを表すことに成功した. 4)平成14 自歩道・アーケード商店街などにおいて.カラー舗装,ブロック舗装によって自転車の通行帯を明示する整備事例が普及しつつあるが,この効果を上記のニアミス強度を用いて明らかにした.具体的には徳島市内の3路線および松山市商店街で実施された通行帯明示について,事前・事後のビデオ観測を元にして,ニアミス発生強度を比較した結果,密度の高い状態でサービスレベルの向上効果が生じることが明らかになり,体感指標との関連性も確認できた.これから,開発した評価指標およびサービスレベルの妥当性が明らかになった.
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