回転平膜の表面に微小量の硝化細菌を主体とする生物膜を保持しながら膜ろ過を行う膜処理プロセスを開発した。本プロセスでは、膜ろ過と低濃度アンモニア性窒素、マンガンイオン、生物代謝性有機物(AOC)の酸化が同時に行われる。膜ろ過抵抗について検討した結果、本プロセスでは全膜ろ過抵抗の70〜80%が膜面に付着・蓄積したケーキに起因した。本水処理装置では、膜の回転作用を利用したスポンジ片による膜洗浄法が有効であった。この洗浄法と本装置の処理性を確認するために、長期間に亘るパイロットプラント実験を行った。その結果、スポンジ洗浄のみで約1年間の運転が可能であった。処理水質についても、水温が15℃以上では、アンモニア性窒素濃度、全マンガン、AOCの濃度はそれぞれ、0.01、0.005、0.001mg/l程度であった。
|