研究課題/領域番号 |
12450213
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤田 正憲 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029289)
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研究分担者 |
立田 真文 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70314367)
池 道彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40222856)
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キーワード | 廃棄物埋立処分場 / 安定化促進 / バイオベンティング / ビオリーチング / 生分解性プラスチック / 重金属類 |
研究概要 |
土壌のin situ(原位置)バイオレメディエーションの一手法であるバイオベンティングを適用して、廃棄物埋立処分場に存在する有機物、化学物質や重金属類を分解、除去、あるいは無毒化することによって、その安定化を促進する試みを実験室レベルのリアクターを用いて行い、その実用化の可能性を検討した。処分場リアクターの底部から空気(酸素)を供給するバイオベンティングによって、土着性の好気性従属栄養微生物の活性を高く維持すれば、廃棄物減容化・無機化の促進、浸出水からの有機物除去と硝化率の向上、廃棄物・浸出水両者の生態毒性(変異原性、内分泌攪乱性を含む)の低減を達成することができ、一般的な意味での廃棄物埋立処分場の安定化の促進につながることが示唆された。ただしここで、成功裏にバイオベンティングを行なうには、適正な量の浸出水を循環させ、処分場内の含水率を一定以上に保ち、乾燥による微生物活性の低下を防止することが重要であることが明らかとなった。各種生分解性プラスチックのフィルムを同様の廃棄物埋立処分場リアクターに投入し、バイオベンティングによる分解促進効果について検討したところ、PHBを始めとする数種のプラスチックの分解は明らかに促進された。この時、リアクター内のプラスチック成分分解菌数は比較的高いレベルに維持されていた。別途、バイアル瓶を用いた実験系で、鉄酸化細菌とイオウ酸化細菌を用いたバイオリーチングによって、焼却灰から重金属類を溶出・除去する試みを行い、多様な重金属類の除去が可能であることを示した。今後はさらに、in situでのバイオリーテリングの可能性を検討し、有機物、プラスチックを含む化学物質、および重金属類の全ての安定化促進につながるバイオベンテリング技術の開発をめざす。
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