研究課題/領域番号 |
12450214
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小野 芳朗 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (50152541)
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研究分担者 |
加藤 敏朗 新日本製鉄(株), 先端技術研究所, 主任研究員
河原 長美 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (90093228)
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キーワード | クリプトスポリジウム / 小腸細胞 / 培養細胞 / ELISA |
研究概要 |
Cryptosporidium等の原虫類による水道水を介した水系感染の発生が大きな社会問題となっている。Cryptosporidiumはoocystと呼ばれる胞子状の殻に包まれた形態で環境中に存在しており、ヒトをはじめ多くの哺乳類の腸管粘膜上皮細胞の微絨毛内に寄生して増殖する。感染が水道水を介して発生する場合があること、水中のoocystの不活化の程度を定量評価する手法が必要不可欠であると考え、oocystの感染力に着目した。そこで感染力を保持したoocystを培養細胞に感染させるというin vitroでの定量方法について検討した。 本研究においては、マイクロプレートを使用し、ヒト小腸由来の培養細胞にCryptosporidium parvumを感染させた後に、48時間培養し、細胞内で増殖したCryptosporidiumをELISAという吸光度を計測する方法で検出し、細胞に感染させて増殖したoocystを定量評価した。 Cryptosporidium parvumのoocystは、in vitroでHCT-8細胞に感染させることができた。細胞内で増殖したCryptosporidiumをELISA検出することができた。それは少なくとも100〜30,000個のCryptosporidium parvum oocystを定量検出できたコラーゲンコートのマイクロプレートがHCT-8細胞の培養に最も適していた。一次処理溶液の濃度が0.6倍以上の場合、oocyst数に依存した用量作用曲線が得られた。 以上の結果より、細胞培養という簡便な方法での、感染作用における評価系の開発の目処が1年目の研究で有するに至った。
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