研究課題/領域番号 |
12450218
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川口 健一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40234041)
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研究分担者 |
宮崎 明美 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40228185)
林 暁光 大阪工業大学, 工学部, 講師 (30262124)
高山 誠 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40064472)
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キーワード | 展開構造 / 可変構造 / スマート構造 / 柔軟構造 / PVDF / スマート材料 / 開閉式屋根 / 膜構造 |
研究概要 |
元来、建築構造物の形態は建設以後変化しない。しかし、近年、建築構造物への要求は大きく多様化しており、開閉式ドームなどの可変式の建築が登場するようになってきている。このような傾向は、通常のビル建築以上に、ドーム構造や展示施設などの特殊構造をもった大規模集客施設、いわゆる空間構造物と呼ばれる建築構造物において顕著である。しかし、従来の開閉式ドームなどに代表される可変式構造物は既存の重工業的な技術の延長であったため、空間構造本来の軽量性という特徴を失ってしまっている。 本研究では、空間構造物本来の特徴である軽量性を損なわず、様々な荷重、用途条件下で最も適した構造システムを形成するスマート構造としての可変空間構造を開発することを研究の目的とする。 本研究は全体を3つのphaseに分けて行なう。 phase1.既往解析プログラムの発展。基本モデルの作成。 phase2.解析システムの確認、張力安定トラスモデル載荷、振動実験 phase3.可変制御モデルの作製と構造実験 本年度は、代表的空間構造である立体トラス及び膜構造に着目して、研究を進めることとした。スマート構造の自己モニタリング及び制御プログラムに発展させるための準備として、既に開発している立体トラス構造の弾性逆解析プログラムを2次元構造物である膜構造へ適応するため、理論構成及び解析プログラムを発展させた。これにより、線形範囲で膜構造の変位、応力制御を行なうための基本的な手法を確立する見通しが立つようになった。さらに、膜構造の自己モニタリングを行なうための低剛性センサーを開発する必要があるため、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を膜構造のセンサーとして用いるための基礎的な実験を行ない、膜面に貼られたPVDFセンサーの基本的な確認した。川口助教授は10月15日より10月20日まで,韓国ソウルで行なわれたAPCS(シェルと空間構造に関するアジア太平洋会議)に出席し、PVDFを低剛性センサーとして用いるための実験結果について研究発表を行った。
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