研究概要 |
本研究は,大阪府住宅供給公社の賃貸住宅である「ふれっくすコート吉田」(以下,吉田プロジェクト)を対象とし,特に,ストック・マネージメントの視点から新たに開発したインフィル供給・管理システムに着目した上で,1.住まい手による可変インフィルの利用実態調査,2.可変インフィルの変更・追加・撤去工事の実態調査,3.インフィル供給・管理組織の活動実態調査,4.インフィル供給管理への住まい手参加支援システムの利用実態調査を行い,インフィル供給・管理システムの有効性を総合的に評価することを目的としたものである。 今年度の研究成果としては,まず,入居段階におけるインフィル供給への住まい手参加支援システム(コンピューターを活用した間取り決定支援システム)の開発とインフィル・コーディネートを実施し,スケルトン賃貸型集合住宅において支援ツールの開発・運営管理とインフィル・コーディネート実施体制の整備が居住者を支援するために必要であること,住まい手の主体的な可変インフィルの利用計画により個性的で満足度の高い間取りを実現できることを明らかとした。また,可変インフィルの利用実態調査,可変インフィルの変更・追加・撤去工事の実態調査を行うことにより。可変インフィルの利用特性と居住者属性や住戸形態との関係性や,可変インフィルの施工における技術的問題等について検討を行い,居住者支援の有効性と具体的な課題の抽出を行うことができた。さらに,これらを踏まえることにより,持続的に居住者を支援することと,効率的にインフィルの再使用を促進することを目的としたインフィル・マネジメント・システムの概念の構成と機能を明らかにした。
|