研究課題/領域番号 |
12450248
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
渡辺 定夫 工学院大学, 工学部, 教授 (10011214)
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研究分担者 |
花木 啓祐 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134015)
野澤 康 工学院大学, 工学部, 助教授 (00251348)
宇田川 光弘 工学院大学, 工学部, 教授 (00133314)
出口 敦 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (70222148)
篠崎 道彦 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (60241014)
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キーワード | 街区 / 熱環境 / 環境制御 / 外部空間 / 日照環境 / 形態規制 / デザイン |
研究概要 |
今年度は、2年間(平成12,13年度)の成果を受けて、街区レベルでの実測調査結果と、コンピュータ上でのシミュレーションとの両面から、街区レベルでの熱環境の考察を進めた。具体的な作業としては、研究対象街区で実施した実測調査、コンピュータ上でのシミュレーション双方のアプローチによる結果の比較検討と、建て替えモデルを用いた検討を行った。 これにより、ひとつには、夏の卓越風である南寄りからの風が、街区内をうまく抜けていく通り道をつくること、適切に日陰ができるような配置計画をすること、コンクリートやアスファルトの地表面被覆を避け、できるだけ土や緑などの被覆とすること、等が、夏期の街区への熱負荷を軽減するのに有効であることが明らかになった。 次に、こうした結果をもとに、夏の熱負荷を軽減する街区内の住棟配置に関する考察を行った。配置モデルの検討にあたっては、空地の配置方法(反対概念としての隣棟間隔)、住棟タイプ(平面形式・高さ)、緑化の方法などを変数として、複数のモデルを構築して考察した。 以上のように、本研究では夏期の熱負荷軽減を目標として研究を進めてきたが、こうした観点からの住棟配置計画は、これまでわが国の住宅地計画における常識的な目標とされてきた、冬期の住戸への日照の確保、南面住戸をできるだけ多く取り入れることなどと矛盾を生じることがわかった。今後、日照・採光などの既存の目標水準(指標)と熱環境とのバランスをどのように考え、トータルとしての目標水準をどのように設定し、表現するか、さらにそれを実現するための具体的な規制・誘導方策をどのように構築するか、などが今後の研究課題として指摘された。
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