研究課題
伝統的木造建築の構造特性評価のために、1)小型で軽微な現地加力装置の開発し、2)伝統的木造建築の振動観測と正確な重量測定による横面の剛性と水平勇断剛性の解明、3)屋根の有無による剛性の比較、4)静的な実験と振動観測で求めた剛性を比較検討した。建物概要は、規模:10.1m桁行き:14.0m高さ:天井面:3.8m軒高さ:7.3m屋根:茅葺のトタン張り、寄せ棟、外屋部分桟瓦葺き特徴:大黒柱が土間の隅にあること、叉首組み構造 柱梁部分の軸組の接合部は梁間方向には胴差し、桁行き方向には差しつけの構造である。屋根部分の叉首組みは上屋桁に乗っているだけで接合部はピンに近く屋根は軸組と別構造と考えられる。建物概要は、規模:10.1m桁行き:14.0m高さ:天井面:3.8m軒高さ:7.3m屋根:茅葺のトタン張り、寄せ棟、外屋部分桟瓦葺き特徴:大黒柱が土間の隅にあること、叉首組み構造 柱梁部分の軸組の接合部は梁間方向には胴差し、桁行き方向には差しつけの構造である。屋根部分の叉首組みは上屋桁に乗っているだけで接合部はピンに近く屋根は軸組と別構造と考えられる。静的載荷実験:載荷荷重1トン程度の微小変形実験では各柱の変位より天井が剛でないことが分った。大変形実験では載荷荷重3トン程度に対し、水平剪断力がかなり小さく、隣の構面や庇、屋根部分も水平剪断力を伝達していた。振動観測:一次モードが3.8Hz、二次モードが5.4Hz、三次モードが8.8Hzであった。大変形後、茅重量の除去後では水平剪断剛性、構面の剛性は下がっていた。振り子の応答により、重さと剛性の検証を行った。衝撃波による振動特性では約40Hzの波が伝達され、木材の一次モード66Hzに近いので、衝撃波で建物が破壊する可能性を示した。この評価法で得た結果を以下にまとめた。・振動観測手法により構面ごとの剛性、水平剪断剛性が求められた。・振動観測から求めた横面の剛性や水平剪断剛性を静的な実験と比較すると振動で求めた剛性は静的な実験で求めた初期剛性の約2倍であった。・衝撃的な波により建物を部分的に破壊する可能性を示した。