研究概要 |
固体電解質を用いた燃料電池(SOFC)は,より高効率で耐久性が有るが,将来的に使われるためにはイオン伝導性材料や電極材料の性能向上のための革新的ブレークスルーが必要である.本研究では,材料の機能性を決定する大きな要因である界面を,ナノスケールで周期的に有するイオン伝導性(固体電解質)人工格子材料を作製する.本研究では,イオン伝導性超微粒子(0次元)や周期的ナノ孔内に導入されたイオン伝導性ナノ細線(1次元)を作製し,それら人工格子の構造の解析,及び格子内部や界面でのイオンダイナミクスを,光学的・電気化学的手法により評価し,高機能性固体電解質の開発に関する指針を得ることを目的としている。 本年度は、(1)高周期性ナノ細孔を有する固体電解質材料の作製を目指して、周期100nm(孔径40-50nm)程度の高周期構造が10x15mmの範囲で形成されているアルミナ系細孔薄膜の作製をまず行った。各孔は貫通しており,アスペクト比は1000以上である.この薄膜をテンプレートに用いて,高速原子線露光装置(FAB)を用いて固体電解質薄膜上にこの構造を転写して,ナノ細孔構造固体電解質入工格子を作製した。(2)ナノ構造固体電解質の評価装置の整備として、環境制御型走査型プローブ顕微鏡の改造を行い、試料表面500℃程度までの温度領域で,交流インピーダンスアナライザーや直流電源を用いたインピーダンス特性をナノ空間分解能で測定できるようになった。
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