研究概要 |
高感度な磁気光学プラスチック光ファイバを実現するために,大きな磁気光学効果を示す微粒子分散材料を作製することが重要である.そこで本研究の第一段階として,従来開発されてきた磁気光学BiYIG微粒子分散プラスチックより大きな磁気光学効果を示す微粒子分散プラスチックの作製を目指し,材料開発を行った. 従来我々が用いてきた手法は,原料のカチオンを含む硝酸水溶液にNH_3水溶液を混合し,共沈殿を得る手法であったが,この手法では共沈時のpHが一定でないために,粒子の粒径が不均一になる傾向にあった.そこで,NH_3やNaOHのアルカリ水溶液に逆にカチオン硝酸水溶液を滴下し,さらにアルカリ水溶液でpHが一定となるようにコントロールし,共沈を行った.その結果,極めて粒子サイズの揃った平均粒径30nm以下のBiYIG微粒子を得ることに成功した.作製した微粒子をプラスチック光ファイバと類似のプラスチック材料に分散させ磁気光学特性を測定したところ,性能指数が従来の2.6から4.8に増大することが明らかになった.この大きな性能指数は粒子サイズが小さく均一になったことにより,不均一な微粒子による入射光の散乱が抑制されたことに起因すると考えられる. 以上のようにして得られた粒子サイズの均一なBiYIG微粒子を,実際にプラスチック光ファイバに分散するための技術開発を現在進めており,また,それを微細加工するための装置の設置が完了している.
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