研究課題/領域番号 |
12450266
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鶴見 敬章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70188647)
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研究分担者 |
和田 智志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60240545)
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キーワード | 強誘電体薄膜メモリー / ヒステリシス曲線 / スパッタリング法 / ドメイン構造 / チタン酸鉛 / ペロブスカイ化合物 |
研究概要 |
本研究は、強誘電体薄膜メモリーを実現するために必要となる2つの要素技術、すなわち、1)高周波領域での分極-電界ヒステリシス曲線の測定手法の確立、2)450℃以下の低温で結晶化し優れた特性を有する新材料の開発、を目的としている。1)については、通常のソーヤ・タワー回路では測定が不可能なため、高速動作が可能なオペアンプを用いた電流-電圧変換回路により測定を行った。その結果、強誘電体薄膜の分極反転速度を決めている過程は、分極反転ドメインの核形成過程であることを突き止めた。これにより高速メモリーを実現するための指針を得ることができた。しかし、電極面積が50μmφと比較的大きいため、CR積で決まる回路の時定数が大きくなり、MHz領域での測定はできなかった。したがって、微小な電極を形成することが次年度の課題として残された。一方、2)についてはチタン酸鉛-チタン酸ストロンチウム系を新しい材料として提案した。この材料をRFスパッタリング法を用いて薄膜として作製したところ、430℃でペロブスカイト単相に結晶化することが明らかとなった。この際、基板に直流のバイアス電界を印加することが低温での結晶化に極めて有効であった。作製した薄膜の分極反転特性を測定したところ、残留分極は10μC/cm^2以上で比較的良好であることがわかった。
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