研究課題/領域番号 |
12450268
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 和樹 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00188989)
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研究分担者 |
藤田 晃司 京都大学, 工学研究科, 助手 (50314240)
陣内 浩司 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 講師 (20303935)
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キーワード | 制限空間 / ゾル-ゲル法 / 相分離 / 多孔構造 / クロマトグラフィー / 有機-無機ハイブリッド / 濡れ / シリカ |
研究概要 |
シリカおよび有機-無機ハイブリッド組成のゲル試料を、薄膜状の形態で相分離を伴うゾル-ゲル反応によって作製した。薄膜状ゲルの作製は向かい合わせた親水性あるいは疎水性修飾した二枚のガラス板の間隔を様々に変えて閉鎖系において行った。乾燥後のSEM観察により、シリカ系において親水性ガラス表面を含む制限空間では、基板間隔50μmから25μmにおいては、バルクよりも粗い構造が得られたが、12μm程度になると再び構造が細かくなる傾向が確認された。制限空間内では熟成および乾燥時の収縮が抑制されるが、空間が非常に狭くなると粗大化過程が抑制されて細かい構造が得られるものと推察した。疎水性表面のみの制限空間では12μmの隙間には反応溶液が導入されなかった。疎水性の高い重合体が生成する有機-無機ハイブリッド系でもほぼ同様の傾向が観察されたが、疎水性基板表面でのスキン層形成が顕著となり、制限空間壁面との濡れなどの相互作用をも考慮する必要のあることが分かった。キャピラリー内では、直径50μm以下になると、ゲル自身の収縮による壁面からの剥離が観察されにくくなることから、マクロ孔構造の特性長より1桁程度大きい空間内では、制限空間を規定する壁面の影響が顕著になると考えられる。 制限空間内のゲルを共焦点顕微鏡で観察する予備実験どして、キャピラリー中で蛍光分子をドープした有機-無機ハイブリッド系多孔質ゲルを作製し、マクロ多孔構造の三次元観察が可能であることを確認した。
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