本研究では、セラミックス基複合材料の破壊試験時に進展するクラック近傍の応力のその場測定を可能にするため、不純物として含まれるCr^<3+>からの蛍光を利用して、短時間(1/30秒以内)で面積500mm^2の応力分布を空間分解能1μm以下、波長分解能0.1nm以下で、±10MPaの応力分解能で測定できる装置の試作を行った。また、特定スペクトルの強度比から結晶粒方位の同定も行った。試作した装置を用いてAl_2O_3繊維強化Al_2O_3系複合材料中の結晶粒単位での微視応力測定と破壊時の微視応力分布の変化を測定した。その結果から、破壊に及ぼす結晶粒単位の熱応力、力学異方性の影響を明確にし、与えられた素材の組み合わせのもとで破壊抵抗を最大にする繊維の特性、寸法に対するマトリックス組織(特に結晶粒径)最適化の指針を得た。
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