研究課題
基盤研究(B)
オールオキサイド系複合材料は、マトリックスを熱膨張率の異なる繊維と複合化する時に結晶粒の異方性により連続体力学では予測しえない大きな内部応力が生じ、破壊抵抗を著しく低下させると同時に、マトリックス内部のクラックの生成あるいは繊維中の過大な引張り応力発生の要因にもなる。したがって、静的・動的な状態で結晶粒単位でのミクロな応力場を知り、その発生におよぼす結晶粒寸法・方位の影響を知りマトリックス組織を最適化することが必要である。平成12年度は、検出波長範囲400~900nm、分解能1μmの走査型ミクロ応力測定顕微鏡の試作を行い、種々のCr含有率の材料を用いて静的な条件で蛍光スペクトルシフトの応力依存性のキャリブレーションを行った。Al_2O_3繊維強化CrドープAl_2O_3マトリックス複合材料を製造し、破壊抵抗におよぼす結晶粒度の影響を調べた。平成13年度は、分光器の高分解能化、応力分布および結晶方位測定結果のマッピングを行うためのデータ取得方法を確立した。試作した装置を複合材料の力学試試験が可能な横型引張り試験機と一体化させ、Al_2O_3繊維強化Al_2O_3の破壊試験時の応力分布のその場観察を行い、結晶粒径を変化させた場合の破壊試験時の材料中微視応力分布を求めた。その結果、界面の応力分布およびクラック進展開始応力は結晶粒径に依存し、界面せん断応力およびクラック進展開始応力が最大となる結晶粒径が存在することが明らかとなった。与えられた素材の組み合わせのもとで破壊抵抗を最大にする繊維の特性、寸法に対するマトリックス組織(特に結晶粒径)最適化の指針を得た。
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