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2000 年度 実績報告書

ECCI法を用いた非破壊的転位構造観察と疲労き裂のエンブリオロジー

研究課題

研究課題/領域番号 12450284
研究機関大阪市立大学

研究代表者

橋本 敏  大阪市立大学, 工学部, 教授 (50127122)

研究分担者 御牧 拓郎  同志社大学, 工学部, 教授 (20066244)
兼子 佳久  大阪市立大学, 工学部, 助手 (40283098)
VINOGRADA Akxei  大阪市立大学, 工学部, 助教授 (10283102)
キーワードECCI / 疲労 / 単結晶 / PSB / 転位構造
研究概要

ブリッジマン法によって<123>および<001>の引張軸を有する銅単結晶の試験片を準備した.また,ロードセルおよびひずみゲージから得られる信号を解析し,最適な信号を疲労試験機にフィードバックさせ,定塑性ひずみ制御を可能にする実験システムを構築した.
銅単結晶試験片を用いて塑性せん断ひずみ値γ_<pl>=2×10^<-3>に制御した定塑性ひずみ疲労試験を行い,500,1500,5000,および10000サイクルの各段階で転位組織を走査型電子顕微鏡内でElectron Channelling Contrast Imaging(ECCI)観察した.
実験の初期では応力振幅は急速に増加し,その後約2000サイクル付近で飽和した.また,バウシンガエネルギパラメータβ_Eは900サイクル付近で極大値を持ち,その後徐々に減少した.単一すべり方位を持つ銅単結晶では,この極大値付近からPersistent Slip Band(PSB)と呼ばれるすべり帯が形成され始める.
単一すべり方位を有する試験片の500サイクル後でのECCI像では,コントラストは観察されなかった.しかし,それ以降の1500,5000,10000サイクル後の試験片ではECCI像においてコントラストの変化が観察された.このように,1500サイクル以降にコントラストが観察されたことは,バウシンガエネルギパラメータの変化とも一致する.単一すべり方位を有する試験片の10000サイクル後のECCI像には,はしご状のコントラストを持つバンド状の像が観察された.これは,TEMで従来観察されているPSBと非常に類似したものであり,ECCI像のコントラストもPSBに起因するものだと思われる.また,多重すべり方位を有する試験片の10000サイクル後のECCI像においてもTEMで従来観察されているラビリンス構造と呼ばれる転位構造と非常に類似した像が観察された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Kaneko,A.Vinogradov,K.Kitagawa,S.Itashimoto: "Cyclic Stress-Strain Response of Pb-Sn and Zn-Al Eutectic Alloys fine-grained by Equal-Channel Angular Pressing"Investigation and Applications of Severe Plastic Deformation. Noto Sevies 80巻,3号. 289-296 (2000)

  • [文献書誌] T.Okada,K.Urushihara,M.Tagami,F.Inoko,S.Hashimoto: "Morphology of [011]-tilt Σ3 boundaries in Pure Copper and copper-Aluminum Alloy Tricrystals"Materials Science & Engineering A. A282. 8-15 (2000)

  • [文献書誌] 宮本博之,森川孝元,御牧拓郎,橋本敏: "銅単結晶の1MNaNO_2溶液中の腐食疲労き裂発生挙動"材料. 49巻,11号. 1179-1184 (2000)

  • [文献書誌] A.Vinogradov,S.Hashimoto: "Multiscale Phenomena in Fatigue of Ultra-Fine Grain Materals-an Oveview"Materials Transactions, JIM. 42巻,1号. 74-84 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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