エレクトロニクスにおける微細高密度実装対応のファインピッチマイクロバンプの形成が重要であり、現在、いくつかの方法が提案されている。微細はんだボールやソルダペーストを印刷する方法については多くの検討がなされており、その得失も明らかになってきている。本研究では比較的簡単な方法によるバンプ形成法として溶融はんだ浴中へのディップ法を取り上げ、この手法により形成するバンプの形状を明らかにすることを目的とし、形状に及ぼす種々の因子の影響を検討した。 プリント基板上の銅ランドにSn-Pb共晶はんだディップにより形成される微細はんだバンプ形状測定をレーザ形状解析装置にて行った。銅ランド直径は0.5mmとした。まず、基板の浸せき方向について検討を行った結果、垂直浸せきよりも、水平浸せき(はんだ面を下面)の方がバンプ高さが大きくなった。はんだ浴からの引き上げ速度は2〜25mmの間では、引き上げ速度が大きくなるほどややバンプ高さが大きくなる傾向を示した。銅ランド直径とバンプ高さの関係を調べたところ、ランド径が大きくなるほどアスペクト比(高さ/直径)が大きくなった。また、はんだ温度を上げるとバンプ高さは減少する傾向があった。 各種鉛フリーはんだについて同様の検討を行ったところ類似の傾向がみられた。このことから、本方法によってはアスペクト比の大きいすなわち、高い微細バンプを形成することがかなり困難であることが推測された。このため、現在、バンプ高さを大きくとることができる簡便な手法の検討を行っている。なお、各微細バンプ高さのばらつきを現す標準偏差は一般にバンプ高さの大きい試料ほど大であると思われるが、統一的な傾向はみられなかった。ばらつきに関してもその軽減が必要かもしれないので検討中である。
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