研究課題
基盤研究(B)
静磁界と交流磁場との斥力および引力を利用した新規な広帯域超音波スピーカーを試作し、基本動作を確認し、装置構造や電源条件が発振超音波の音圧に及ぼす影響に関して検討した。実験では、発信機の正弦波信号をアンプにより増幅させた後、40W〜80W程度の電力で電磁石に印加した。電磁石の鉄心の一方の極を、正方形の鉄板(一辺の長さ7mm)の中央に固定したネオジウム希土類磁石(端面の中心磁束0.4T)と対抗させた。静磁石による静磁場とコイルより発生する交流磁場との吸引および反抗磁場で鉄板を振動させた。超音波の周波数と音圧分布は、超音波メーターまたは超音波マイクロフォンを用いて計測した。FFTによる波形解析の結果、気相内または液相内に印加した周波数と同一の周波数を持つ音波が観測され、本法により任意の周波数の超音波が発信可能であることが判明した。また、発信音圧に及ぼすコイル電流の周波数、電流値、振動板の板厚、ポール-磁石間距離等の効果を検討した。さらに、増幅器付の高周波発信器から発生した交番磁場で電磁振動板を直接に加振し、それに接した溶湯内に超音波を伝播させる方法についても検討した。発信コイルから一定距離の位置に設置した矩形鉄板の空気中での加熱速度をサーモビュアーで測定し、電磁振動板周りの磁場分布、発熱速度と密接な関連をもつ加振強度を考察した。水冷した容器内の鉄板の電磁振動によって、水中に20kPa程度の強力超音波が発信されること等を確認した。実用化に際しては、電磁振動板の冷却システムの検討も重要であり、現在、それを含めた超音波発信システムおよび構成材料の選定を検討している。さらに、超音波の放射圧を利用した泡沫抑制または分散相の分離プロセスや、キャビテーション作用を利用した2液相のエマルション化や脱ガスプロセス等、革新的超音波プロセシングの操作設計についても検討した。
すべて 2000
すべて 雑誌論文 (12件)
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