研究分担者 |
西村 義行 東邦大学, 理学部, 教授 (70023075)
冨田 重幸 宮崎大学, 工学部, 教授 (10111668)
長谷部 伸治 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60144333)
柘植 義文 九州大学, 工学研究科, 助教授 (00179988)
西谷 紘一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10029572)
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研究概要 |
本研究はバッチプラントの動作を離散事象システムとしてとらえ,そのなかで計画,制御,運転の問題を互いに関連付けながら解決するための方法を開発しようとするものである.今年度に得られた主な成果,知見は次のようである. 1.環境変化に対応できるバッチプラントの生産計画問題 多品種生産バッチプラントを対象に,それぞれの部門が個々に最適な意思決定を行いながら,それらが互いに情報交換をし全体として最適な意思決定を行う分散型生産管理システムを開発した.また,バッチプラントの運用戦略の安全性・公平性を含む健全性を検証するための方法を開発し,その有効性を確かめた. 2.非定常制御のためのシーケンス制御系設計問題 シーケンス制御系の操作手順を合成するのに必要な情報を,プラント情報,プロセス情報およびスケジュール情報に分類した.そして,これらを利用して制御系モデルを作成しそれを解析することによって操作手順を合成するための方法を開発した.また,得られた操作手順の実行可能性を検証する方法を開発した. 3.バッチプラント運転・保全のためのマンマシンシステム設計問題 異常対応訓練で観察されたオペレータの行動をもとに,人間の一つの認知情報処理モデルを提案し,このモデル上で種々のヒューマンエラーを解釈しそれをシミュレーションする方法を開発した.また,ウェーブレット関数近似モデルやニューラルネットワークモデルをもとに,不確定に変動する正常状態の予測方法についても検討した. 今年度の研究成果から,それぞれの問題解決に必要な情報が互いに深く関連し合っており,しかもこれらの問題の多くが離散事象システムの問題としてとらえることができることが分かった.これにより,バッチプラントの計画,制御,運転に係わる問題を統一した枠組みのなかで検討できる可能性があることが期待できる.
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