研究課題/領域番号 |
12450313
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
尾添 紘之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (10033242)
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研究分担者 |
桑木 賢也 岡山理科大学, 工学部, 助手 (80302917)
赤松 正人 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助手 (40315320)
田川 俊夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (90294983)
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キーワード | 磁化力 / 強磁場 / 磁化率 / 超伝導磁石 |
研究概要 |
強磁場勾配下における非鉄材料への磁化力効果について種々の検討を重ねた。昨年度は常圧空気の熱伝導場が磁場勾配により撹乱されることが明らかになり、モデル方程式も確立された。そこで、本年度は円管内の空気の自然循環の問題、超伝導電磁石ボア内の温度分布の実測とボア内磁化力対流の数値解析を実施した。 円筒の上半分内側壁から一様熱流束で加熱すると、円筒内空気は昇温し、重力場では上部開放口より高温空気が流出し、下方開放口より低温空気が流入する。円筒中央高さにコイルを想定し、電流を流すと、磁場が発生する。この時、磁場の強さを増やしていくと、コイル下方の低温空気は磁化率が大きいため、強く上方へ引かれ、コイル上方の高温空気は磁化率が小さいため、下方へ少し引かれ、この力の差の分だけ、円筒内の空気は上方へ強く引かれ、空気量の増加が予想された。数値解析は無次元数Ra^*=1000,Pr=0.71の時、磁場強度を表わすγ=0(無磁場)の時の最大上昇流速値36が、γ=100では44に、γ=1000では90にと増速されることがわかった。その結果、対流熱伝達の増加、さらには無重力場における磁化力対流による流体駆動が予想される。 一方、超伝導電磁石ボア内の温度特性について検討した。ボア空間は通常、室温ボアと称され、通常の室温と思われている。平成12年度の新磁気シンポジウムにおいて、ボア内の温度低下が指摘されたが、多くの発言が相矛盾したりして、早急な現象解明が必要とされた。超伝導磁石ボア(内径100mm)に外径95mmのアクリル円筒を設置し、T型熱電対をボア内壁に接して計測した。その結果、室温27℃の時、ボアの中心では-16℃位となり、ほぼ左右対称な温度分布を呈し、円筒周方向には一様であることがわかった。これと類似した空間で、円筒壁の熱伝導も考慮した磁場印加対流の問題の三次元数値解析を実施し、実験と類似した壁内温度分布を得た。
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