研究分担者 |
桑木 賢也 岡山理科大学, 工学部, 講師 (80302917)
赤松 正人 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助手 (40315320)
田川 俊夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (90294983)
鎌倉 勝善 富山工業高等専門学校, 教授 (40042832)
金田 昌之 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (50346855)
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研究概要 |
超伝導電磁石を用いた強磁場下では空気でさえも磁化力により流動することを取り上げてきたが、これは通常超伝導電磁石のボア空間内で実施できる。本報告では、超伝導電磁石ボア空間と同軸に保った立方体容器内の空気の自然対流が、ボア空間が鉛直から傾斜していった場合にどのようになるのかという問題について、三次元数値解析を実施した。磁場を発生するコイルは容器の上面に固定し、加熱、冷却面が鉛直の場合の絶縁下面を水平から角度φ_2[rad]傾けていくものとした。磁場強度を表わす無次元数γ=0,1,5,10と変化させ、φ_2=0〜2πの全域をカバーした。これを代表的条件Pr=0.71,Ra=10^5に対して求めた。その結果、φ_2=0のとき、加熱面の水平中央部より冷却面に水平に流れが発生し、横からみて2つのロールが発生することが見い出された。φ_2=π/2のとき、コイルは鉛直となり、加熱面は下方に位置するが、このとき、磁気力は自然対流を促進する。φ_2=3π/4のとき、ほぼNu数は最大となった。φ_2=πのとき、コイルは下に位置し、磁気力は、同様、自然対流を促進した。φ_2=3π/2のとき、加熱面は上、冷却面は下に位置し、重力のみではNu=1となり、熱伝導状態となるが、磁気力でNuは大きくなることが予測された。 また、若山の特許によれば鼻孔内に設置した小型磁石により、呼吸量の増大がもたらされるという報告があり、本問題についても、理論解析を試みた。本問題は、温度差と酸素濃度差の両効果によって磁化力対流が発現するものであり、モデル方程式の導出も行った。つまり、温度、濃度の二重拡散磁化力対流問題である。計算例としては、外気温20℃、体内温度36.5℃、パイプ長5cm、コイル直径5cmとして、入り口近くにコイルを設置した。まず吸気のみの時を計算し、磁場のみの効果で1Teslaのとき、Re〓20,10TeslaでRe=300に相等する流量が得られることが予測された。ついで、呼吸を表わすため内外差圧をサイン関数近似した。その結果吸気は磁場で促進されるが、呼気(流出流)は磁場が増す程抑制されることがわかった。従って数値計算上は吸気のみが磁場で促進されるということが予測された。
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