研究課題/領域番号 |
12450321
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
草壁 克己 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30153274)
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研究分担者 |
礒田 隆聡 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70284544)
諸岡 成治 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60011079)
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キーワード | 無機膜 / ゼオライト / 触媒 / 水蒸気改質 / 膜型反応器 / 水素 / メタノール / 燃料電池 |
研究概要 |
水熱合成法により多孔質アルミナ支持管の内壁に欠陥のないNaY型ゼオライト膜を合成し、この膜に白金の水溶液を用いてイオン交換した後、焼成および水素による還元処理をすることで白金担持ゼオライト触媒膜を作製した。この触媒膜を用いて、メタノールの水蒸気改質ガスを模擬した1%の一酸化炭素を含む水素ガスを管の内側に供給して、CO分離実験を行った。その結果、水素の選択的膜透過性により透過側では、水素に対するCO濃度が1000ppmまで減少することを明らかにした。次に、供給側気体に最大で1%の酸素を混合することで、膜内での選択的CO酸化を行った。この場合、反応温度が150℃では、膜内における反応速度が遅いので、透過側におけるCO濃度はわずかに低下するだけであったが、反応温度を200℃まで上げると、COとほぼ同量の酸素を吹き込んだ条件では、透過側のCO濃度が本実験系における測定限界(8ppm)以下まで低下した。反応温度250℃では、酸素濃度が0.5%以下でCO濃度は8ppmまで低下し、透過側の水素濃度は酸素濃度を上げてもほとんど変化しなかった。また、同じ条件で供給気体中に2%の水蒸気を混合させても、CO濃度は8ppm以下まで減少したことから、COの選択酸化特性に及ぼす水蒸気の影響は小さいことがわかった。このように白金担持ゼオライト触媒膜の分離性と触媒反応性の相乗効果によりCOの低濃度化が実現できた。ここで、達成されたCO濃度レベルは固体高分子型燃料電池の水素燃料として適用可能である。
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