研究課題/領域番号 |
12450333
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
久保井 亮一 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40029567)
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研究分担者 |
馬越 大 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (20311772)
土戸 哲明 関西大学, 工学部, 教授 (50029295)
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キーワード | ストレス応答 / リポソーム / 誘電分散計測 / スマートポリマー / 固定化リポソームクロマトグラフィー / 水性二相分配法 / タンパク質 / 分子間相互作用 |
研究概要 |
生細胞と同様のストレス応答挙動を示す「リポソーム」とは、生体由来の両親媒性分子により自発的に形成される細胞様の秩序構造であり、脂質二重膜・超分子集合体である。その母体になる二分子膜構造は主として脂質分子疎水性鎖間の疎水結合により形成され、柔軟な構造をもち、表面におけるストレス変性タンパク質との相互作用・リフォールディング、物質透過の制御、生体分子の可溶化などの生体膜に類似した重要なストレス応答機能を有する。平成12年度では、主としてストレス条件下で変性したタンパク質と、脂質二重膜・超分子集合体との静的・動的な相互作用に関する定量的な知見を蓄積するために以下の2つの項目について検討し、所期の成果を得た。 (1)リポソームに刺激応答型の機能性リガンド(スマートポリマー)や生体高分子を複合化させる事により、刺激(環境ストレス)感受性の強い生体膜を模倣した環境ストレス応答機能の発現を達成した。この機能性リポソームについて、既存のCD・UV・固定化リポソームクロマトグラフィーに加えて、細胞膜誘電率動的解析システム(アジレントテクノロジー製)あるいは蛍光分光光度計(日本分光製)を用いて、表面特性や生体分子との動的な相互作用に関する体系的・定量的知見を集積した。またこれに基づいて、複合体形成挙動(平衡状態)および酵素・タンパク質のリフォールディングおよび膜透過過程(動的状態)を定量的に評価する事に成功した。 (2)脂質膜・リポソームを共有結合法によりゲルマトリックスに固定化したストレス応答型ゲル担体を調製し、その表面特性,ストレス安定性・応答性を従来法(蛍光法・水性二相分配法等)により評価した上で、コレステロール・バイオサーファクタントなどの生体由来の機能性物質、あるいはリガンド・スマートポリマーなどの機能性合成高分子などにより修飾し、新規に調製された超分子集合体のストレス応答機能を最適化した。
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