研究課題/領域番号 |
12450335
|
研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
古崎 新太郎 崇城大学, 工学部, 教授 (40011209)
|
研究分担者 |
上江洲 一也 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (40253497)
後藤 雅宏 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10211921)
山本 進二郎 崇城大学, 工学部, 講師 (40262307)
|
キーワード | 人工酵素 / 生物工学 / 酵素反応 / 界面活性剤 / 不斉認識 / 生体触媒 / 界面鋳型重合 / 分子インプリント |
研究概要 |
本研究の目的は、油水界面における不斉認識能を利用した樹脂調製法により、分子認識能と触媒能を合わせ持つ人工酵素を開発することにある。本年度は、界面分子インプリント法により調製した人工酵素ポリマーがどの程度天然の酵素と類似した触媒機能を有するかを検討した。そこでまず最初に、認識部位を構築する機能性モノマーがポリマー表面に固定化できているかを評価した。界面分子インプリント法は、認識部位をポリマー表面に構築し基質との反応速度を向上させる手法である。認識部位構築にはエマルション油水界面への機能性モノマーの配向性を利用している。そこで新たに合成した界面配向性の高い機能性モノマー(長鎖イミダゾール誘導体)と配向性の低い機能性モノマーを用い人工酵素ポリマーを調製した。その結果、界面配向性の高い機能性モノマーほど、触媒活性が高いことが確認された。これは界面配向性の高い機能性分子を利用すれば、ポリマー表面への固定化が有利であることを示唆している。 続いて、人工酵素ポリマーの速度論解析を行った。その結果、基質をインプリントしたポリマーはインプリントしなかったポリマーに比べ触媒速度がはるかに大きいことが確認された。しかしながら、基質の取り込みに関しては2種のポリマーで大きな差はみられなかった。ポリマーの認識部位に基質の取り込みを促進させる相互作用をいかに付与するかが今後の課題である。最後に、基質選択性の検討をおこなった。その結果、アミノ酸エステルの芳香環の有無が認識され、選択的に触媒可能であった。今後、認識部位に基質と多点相互作用するインプリントポリマーを調製することで、不斉認識能を有する人工酵素の構築が期待できる。
|