研究課題/領域番号 |
12450336
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤田 嗣郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90011105)
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研究分担者 |
片山 建二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (00313007)
由井 宏治 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (20313017)
藤浪 眞紀 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50311436)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 液液界面 / 準弾性レーザー散乱 / 界面張力 / 時間分解 / 相間移動触媒 / 生体膜 / 非線形電位発振 / 吸着・脱離 / Adsorption / desorption |
研究概要 |
本研究では、従来測定が困難であった液体の界面における分子挙動を非破壊・非接触でリアルタイムに2次元計測できる装置を開発することを目的に、当研究室で独自に開発してきた時間分解準弾性レーザー散乱法の光学配置や電子部品を改良し、より実際の現場で使用できるよう汎用性の高い装置の開発を行った。特に、研究期間の最終年度となる本年は、開発した装置を用いて、触媒反応や染料の合成反応など、工業的に重要な系や、基礎科学的に興味深い系等への具体的な適用を多数試みた。 まず、片方の液相が不透明な系にも適用でき、かつ、2次元イメージングが同時にできるよう、単一レンズ下で散乱光を発生させるビーム、ヘテロダイン検出を行うためのローカル光を集光・照射し、かつ信号光を同時に取得できる光学配置を考案し、開発に成功した。その結果、従来測定ができなかった水銀界面や、化学反応の進行によって,片方の液相が着色してくる系などにも適用範囲が広がった。実際に相間移動触媒を用いたアゾ染料の合成反応のモニタリングに適用し、カップリング反応における界面の役割を明らかにした。 また、生体膜上でのリン脂質の加水分解反応や、界面における電位の非線形発振現象の解明にも本装置を適用し、これらの系における界面での分子挙動について重要な知見を得ることに成功した。また現在試作段階であるが、信号の高速サンプリングを行う装置を開発し、時間分解能を従来の秒スケールからミリ秒のスケールに向上させることに成功した。これにより、生体膜における膜融合過程や、より早い化学反応を追跡できる可能性が広がった。
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