研究課題/領域番号 |
12450337
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柘植 新 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60023157)
|
研究分担者 |
北川 邦行 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 助教授 (00093021)
石田 康行 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70273266)
大谷 肇 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50176921)
渡辺 忠一 フロンティア, ラボ(株), 主任研究員
|
キーワード | 熱分解 / ポリカーボネート / 分岐 / 架橋 / キサントン / 水酸化テトラメチルアンモニウム / 熱分解ガスクロマトグラフィー |
研究概要 |
本年度は基礎検討として、代表的なエンジニリアングプラスチックの一種であるポリカーボネート(PC)の加熱分解過程でポリマー鎖に形成される異常構造の解析を、有機アルカリの一種である水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)共存下での反応熱分解ガスクロマトグラフィー(反応Py-GC)によって行った。ここでは、工業的に合成されたPCを300℃で3時間あるいは400℃で1時間、電気炉により空気中で加熱処理した試料を解析対象として用いた。また、試料中に分岐構造の前駆体構造として形成したキサントン単位から反応熱分解によって生じることが予想される、比較的分子量の大きな熱分解生成物を溶出させるために、金属キャピラリー分離カラムの温度を370℃まで昇温して反応Py-GC測定を行った。こうして観測されたパイログラム上の各ピークの質量スペクトルを詳細に解析し、さらにキサントン構造を有するモデル化合物を使用した各ピークの保持指標の比較などにより、加熱処理したいずれのPC試料についても、種々の分岐・架橋構造を反映するピークに加えて、キサントン単位を含む熱分解生成物のピークを同定することができた。さらに、その相対ピーク強度から、PC試料中のキサントン構造の存在量は400℃で加熱処理した試料では、1000モノマー単位あたり5個程度と推定され、300℃処理の場合の約1個に比べて、約4倍以上大きな値を示した。
|