研究課題/領域番号 |
12450341
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野澤 庸則 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10006322)
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研究分担者 |
小林 正幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70271864)
大友 征宇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10213612)
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キーワード | 固体高分解能NMR / クロロゾーム / バクテリオクロロフィルc / ダイマー / RFDR / 光合成アンテナ / MCD / 安定同位体標識 |
研究概要 |
生体分子のインタクト構造解析に固体高分解能核磁気共鳴法を応用する時、その感度を向上させるために試料を安定同位体標識する方法を導入した。今年度は大きなターゲットの一つである天然の光合成系アンテナクロロゾームのインタクト構造解析を目指し、バクテリオクロロフィルcの^<13>C均一試料を調製した。これから有機溶媒乾固法により非常に規則性の高いクロロゾームモデルとしてのバクテリオクロロフィルcの会合体をNMR測定用スピナー内に調製した。この固体高分解能核磁気共鳴スペクトルをプロトン400MHzのNMR系に固体高分解能NMR測定用プローブを装着して測定した。1次元^<13>C-NMRにおいては従来の非標識の試料に比べ非常に高感度で測定ができ、また、試料の調製法の成果により分解能も十分であった。特に固体会合体に特徴的に観測される大きく高磁場シフトしたメゾ位の炭素が95ppm前後に観測された。RFDR法を用いた二次元^<13>C-^<13>C相関スペクトルにおいてはファルネシル基のテールを除くすべての炭素が2つに分裂していることが見出された。これは、会合体においてバクテリオクロロフィルcがA,B2種類の状態で存在することを示すもので、固体試料作成過程で観測される710nm錯体のタイマースペクトルを経由して740nmに吸収を持つ会合体が形成されるという知見と合わせると、ダイマーユニットが基本となって会合体が形成されたことを示唆した。
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