研究課題/領域番号 |
12450346
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三浦 則雄 九州大学, 先端科学技術共同研究センター, 教授 (70128099)
|
研究分担者 |
清水 陽一 九州工業大学, 工学部, 助教授 (20192114)
酒井 剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (40284567)
島ノ江 憲剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (10274531)
|
キーワード | イオン導電体 / 酸化物半導体 / 接合界面 / ガスセンサ / 固体電解質 / 安定化ジルコニア / NASICON |
研究概要 |
本研究では、イオン導電体/酸化物半導体という新たな異種接合界面を設計・形成・制御することにより、これまでにない特異なガス認識機能を付与し、センサの作動特性を飛躍的に改善させた高性能センシングデバイスを開発することを目指して検討を行い、以下のような知見を得た。 1)イオン導電体として代表的な酸素イオン導電体であるイットリア安定化ジルコニアをとりあげ、これに種々の酸化物半導体を付加することにより、異種接合界面を形成したセンシングデバイスを作製した。ガス種としてまず炭化水素を取り上げて高温での応答特性を検討したところ、酸化物半導体としてSnO_2を用いた場合にはメタンを含む多くの炭化水素に応答するため、トータル炭化水素センサとして使える可能性があることを示した。これに対して、CdOを用いた場合には600℃においてプロピレンに対して選択的な応答を示すことがわかった。本素子の起電力応答は、50〜1000ppmのプロピレン濃度の対数に対して良好な直線性を示し、90%応答時間も約10秒と速かった。また、本センサの応答特性は、接合界面における混成電位に基づいていることを分極曲線の測定により確かめた。2)ガス種としてNOxを取り上げて検討したところ、安定化ジルコニア/WO_3の接合界面が高温でも良好な感度と選択性を示すことを見出した。3)イオン導電体としてNa^+導電体であるNASICONを用い、これに炭酸塩(Li_2CO_3-BaCO_3)を付加したCO_2センサにおいては、炭酸塩によりNASICONが侵食され、界面に炭酸塩の組成によりLi_2ZrO_3やBaZrO_3などの酸化物層が形成されることを見出した。このような酸化物界面相の形成により、O_2による応答への妨害が抑えられ、270℃という低温においても良好なCO_2検知特性が得られた。
|