研究課題/領域番号 |
12450347
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山田 淳 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30136551)
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研究分担者 |
秋山 毅 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20304751)
新留 康郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50264081)
米村 弘明 九州大学, 大学院・工学研究院, 講師 (40220769)
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キーワード | 自己組織化 / 単分子膜 / 修飾電極 / 光電変換 / 光電池 |
研究概要 |
化石燃料の消費を主要因する地球規模での環境破壊を抜本的に解決するためのクリーンエネルギーシステムとして、太陽光の有効利用が再び脚光をあびている。有機色素と半導体を組み合わせた色素増感太陽電池は低コストかつ簡便に製作できるなどの利点を持つものの、再現性や安定性に乏しいなどの問題点も指摘されおり、新しい概念に立脚した色素/電極系の開発が必須である。本研究では、光合成の分子機構を模範とする高性能光電変換システム、すなわち、電子供与体(D)-受容体(A)連結色素の自己組織性を活用した色素単分子膜電極による革新的光電変換システムの実現を目指す。 昨年度に引き続いて、電子供与体(D)-受容体(A)連結色素の合成をすすめると共に、光電変換の最適化と光電池への展開を図った。具体的成果を以下にまとめる。 (1)D・A比を変えた連結色素を合成し、電極表面に自己組織化により単分子層膜を構成した。この電極の光電変換効率を測定した結果、D : A=1 : 2の色素の方が、D : A=1 : 1の色素より2倍以上の光電流効率を示すことを明らかにした。 (2)色素を修飾した電極と対極で構成されるサンドイッチ構造の二極式の光電池を組み立て、電子メディエーターとしてヨウ素を用い、光電池としての動作特性を検討した。0.4Vの起電力、数μAの短絡電流を得た。単分子膜を用いた世界最薄の光電池である。 (3)逆方向の光電流機能を示す2種の色素より成る単分子膜を構成し、波長を変えて光電流を測定した。その結果500nm以下と600nm以上で逆方向の光電流が認められた。双方向性分子フォトダイオードを世界ではじめて実証した。タンデム型光電池への展開を遂行中である。
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