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2002 年度 実績報告書

自己組織性単分子膜を用いる光電変換の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12450347
研究機関九州大学

研究代表者

山田 淳  九州大学, 工学研究院, 教授 (30136551)

研究分担者 秋山 毅  九州大学, 工学研究院, 助手 (20304751)
新留 康郎  九州大学, 工学研究院, 助手 (50264081)
米村 弘明  九州大学, 工学研究院, 助教授 (40220769)
キーワード電子供与体 / 電子受容体 / 金ナノ粒子 / 電子移動 / 光電変換 / 光電池
研究概要

本研究により得られた研究成果を以下にまとめる。
(1)ルテニウム錯体-ビオローゲン連結色素による光電変換
可視光を効率よく吸収する電子供与体(D)としてルテニウム錯体を選び、ビオローゲンを電子受容体(A)とする連結色素を合成した。自己組織化法によって色素の単分子膜を金電極表面に構成した。電子供与体に対して複数の電子受容体を配置させる事が光電変換効率の向上に重要である事を明らかにした。また電子供与体-受容体間距離がヘプチル基程度の長さが最適である事も明らかにした。さらに、D : A=1 : 2の色素の方が、D : A=1 : 1の色素より2倍以上の光電流効率を示すことを明らかにした。
(2)ポルフィリン-フラーレン系の光電変換
電子供与体として吸光係数が極めて大きいポルフィリン(D)、電子受与体として三重項状態が安定なフラーレン(A)の系について、単分子層膜をITO電極上に構成した。DとAの対を形成する方が格段に大きい光電流が得られる事を明らかにした。
(3)金ナノ粒子を用いる光電変換
金ナノ粒子表面への単分子膜作製について検討した。金ナノ粒子と色素を交互に自己組織化したものや、金ナノ粒子を堆積させた多孔性電極への自己組織化により作製した光電変換素子について、平面構造の単分子膜修飾電極と性能の比較を行った。その結果、金ナノ粒子を用いることで30倍程度の性能向上を実現できた。
(4)光電池への展開
色素を修飾した電極と対極で構成されるサンドイッチ構造の二極式の光電池を組み立てた。0.4Vの起電力、数μAの短絡電流を得た。単分子膜を用いた世界最薄の光電池である。
(5)双方向性光電変換素子の創製
逆方向の光電流機能を示す2種の色素より成る単分子膜を構成し、波長を変えて光電流を測定した。その結果500nm以下と600nm以上で逆方向の光電流が認められた。双方向性分子フォトダイオードを世界ではじめて実証した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Akiyama et al.: "Novel Photoelectrochemical Cell using a Self-Assembled Monolayer of a Ruthenium(II)Tris(2,2'-bipyridine) Thiol Derivative"Japanese Journal of Applied Physics. 41. 4737-4738 (2002)

  • [文献書誌] 高橋 宏信: "金ナノ粒子のレーザー誘起固定化におけるチオール保護剤の効果"分析化学. 51・9. 797-801 (2002)

  • [文献書誌] S.Yamada et al.: "Fabrication of Porphyrin-Gold Nanoparticle Multistructures for Photoelectric Conversion"Extended Abstracts of 2002 International Conference on Solid State Devices and Materials. 216-217 (2002)

  • [文献書誌] 山田 淳: "今,金・銀ナノ粒子がかがやいている"化学. 57. 25-27 (2002)

  • [文献書誌] N.Terasaki et al.: "Structural Characterization and Photoelectrochemical Properties of the Self-Assembles Monolayers of Tris(2,2'-bipyrisine)ruthenium(II)-Viologen Linked Compounds Formed on the Gold Surface"Langmuir. 18. 8666-8671 (2002)

  • [文献書誌] 秋山 毅: "表面ゾル・ゲル法によるD-A連結型光電変換多層膜の作製"中央分析センター報告. 20. 45-49 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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