セラミック機能素子のバイオミメティック合成・形成制御

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12450350
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 河本 邦仁 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30133094)
• 研究分担者: 徐 元善 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30242829)
• キーワード: マイクロパターニング / 選択析出 / TiO2 / 自己組織膜 / チタンアルコキシド / 分子認識 / マイクロデバイス

研究概要

我々は、液相析出法により、アナターゼ型二酸化チタンのマイクロサイズパターンを低温で作製することに成功しているが、各種デバイス作製に向けては更なる解像度の向上が必要である。本研究では、自己組織膜及びチタンアルコキシドの加水分解反応を用いることにより、パターン解像度の向上に成功した。OTS(octadecyltrichloro-silane)自己組織膜にフォトマスクを介して紫外線照射を施しメチル基とシラノール基のマイクロパターンを作製した1)。これをテンプレートとし、N_2雰囲気下でTDD(titanium dichloride diethoxide)溶液に浸漬した。30分間の浸漬によりシラノール基上に選択的に薄膜が形成された。SEM観察から見積もられたパターン解像度は、液相析出法におけるラフネス(約28%)及び、デバイス作製の基準値(5%)を下回るものであった。また、XPS測定において、Ti-O間の化学結合の存在が示され、組成はTi:O:Cl:C=1:2.2:0.17:0.37であった。XRD測定からは、薄膜がアモルファスであることが示され、シラノール基上へのチタニアの選択析出により、高い解像度を持つアモルファス二酸化チタンのマイクロパターンを作製できた。また、大気中での加熱処理により400℃でアナターゼ相に、1000℃でルチル相に相転移した。加熱処理後もパターン精度に大きな変化はなく、これにより、アモルファス相のパターンと同等の高い解像度を持ったアナターゼ型二酸化チタンのマイクロパターンが作製できた。

研究成果

• [文献書誌] Y.Masuda,W.S.Seo,K.Koumoto: "Arrangement of Nanosized Ceramic Particles on Self-Assembled Monolayers"Jph.J.Appl.Phys. 39. 4596-4600 (2000)
• [文献書誌] Y.Masuda,W.S.Seo,K.Koumoto: "Two-dimensional arrngement of fine silica spheres in self-assembled Monolayers"Thin Solid Films.. 382. 183-189 (2001)
• [文献書誌] Y.Masuda,T.Sugiyama,K.Koumoto et al.: "Selective deposition and micropatterning of titanium dioxide thin film on Self-assembled monolayers"Thin Solid Films. 382. 153-157 (2001)
• [文献書誌] K.Koumoto,W.J.Dressick et al.: "Micropatterning of Titanium Dioxide on Self-assembled Monolayers using a Liguid-Phase Deposition Process"Chem.Mater. 11・9. 2305 (1999)
• [文献書誌] M.Ishikawa,Pei-xin Zhu,K.Koumoto et al.: "Initial Nucleation Proess of Hydroxy apatite on Organosilane Self-assembled Monolayers"Journal of the Ceramic Society of Japan. 108・8. 714-720 (2000)
• [文献書誌] W.S.Seo.,A.Hozumi,K.Koumoto et al.: "Nucleation and Growth of Hydroxy apatite on "NH_2" terminated Self-assembled Monolayers"Biomedical Materials. (印刷中).