研究課題/領域番号 |
12450359
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 史衞 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (50016606)
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研究分担者 |
岡本 専太郎 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (00201989)
占部 弘和 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (10176745)
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キーワード | 有機チタン / アセチレン / 環化 / ビタミンD_3 / シクロヒキセノン / ベンゼン / スルホニルアセチレン |
研究概要 |
我々は、1995年にTi(O-i-Pr)_4と2当量のi-PrMgX(X=Cl or Br)の反応で(η^2-propene)Ti(O-i-Pr)_2が得られ、この錯体が2価チタンTi(O-i-Pr)_2の等価体として働くことを見出した。またその後の研究で、このチタン錯体が高い反応性を示し、有機合成反応剤として大きな可能性を有していることを明らかにすることができた。本反応剤は大規模スケールでの応用利用が可能であり、それゆえ真に実用的な新合成手法を提供するものと考えている。 本研究では2価チタンの化学をさらに発展させ、以下に述べる2つの新しい実用的反応の開発に成功した。 1.新規芳香族化合物の合成法の開発 我々は、3種類の異なった非対称アセチレンの3量化に成功した。すなわち2価チタンと1分子のアセチレンにより、アセチレン-チタン錯体を合成した後、末端アセチレンを反応させるとチタナシクロペンタジエンが選択性高く得られた。その後この系にスルホニルアセチレンを加えたところ[2+4]環化、アリル転位、β-脱離が順に進み、ベンゼン誘導体を高収率で得ることができた。 2.ビタミンD3A環部の合成とそれを用いるビタミンD3誘導体の合成 2価チタンによって惹起される分子内求核アシル置換反応を利用し、光学活性シクロヘキサン化合物合成のための有用不斉素子5-シロキシ 2-シクロヘキセノンの開発に成功した。さらに、この素子を利用して新しいピタミンD3A環部位の合成を行うとともに、それを用いた新しいビタミンD3誘導体の合成を行った。(654文字)
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