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2001 年度 実績報告書

主鎖型液晶性高分子の構造形成過程における動的因子および水素結合の影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12450384
研究機関京都大学

研究代表者

堀井 文敬  京都大学, 化学研究所, 教授 (70124758)

研究分担者 平井 諒子  京都大学, 化学研究所, 教務職員 (20156623)
梶 弘典  京都大学, 化学研究所, 助手 (30263148)
キーワード液晶性高分子 / ポリウレタン / ポリエーテル / 水素結合 / 分子集合体 / 液晶化 / 結晶化 / 固体NMR
研究概要

平成12年度に引続き、ビフェニレンジメチル置換体をメソゲンとし、デカメチレン鎖をスペーサーとする液晶性ポリエーテルを合成し、その相転移挙動、生成する結晶変態を詳細に研究し、これまであいまいであった高分子のネマチック相の興味深い、重要な特徴を明らかにした。まず、メルトからの液晶化温度はほとんど冷却速度に依存しないが、これに続いて起こる結晶化の温度は冷却速度の増大とともに、著しく減少すること、この結果、メルトから0℃に急冷することにより液晶ガラスが生成することを明らかにした。次に、この液晶ガラスを約60℃以下で徐冷するとform βの結晶が生成するが、この温度以上で徐冷した場合form αの結晶化が優先して起こることを見出した。さらに、このポリマーの昇温過程に現れる等方化温度Tiの直下の温度まで、液晶ガラスを急加熱した場合、ネマチツク相が生成し、その温度に保つ限り1日以上安定に存在すること、このネマチック相をO℃に急冷すると著しく結晶性の高いfbrm βが生成するが、徐冷するとやはり高結晶性のform αが結晶化すること、また、このネマチック相では時間のスケールで分子鎖の再配列が起こっていることなどを明らかにした。これらの結果は、マネチック相において、磁場やずり応力などの種々の手段により分子鎖の配列制御を行うことが可能なことを示しており、液晶性高分子材料の高性能化・高機能化に利用可能と思われる。なお、前年度に行った固体NMR法による分子運動解析と比較するため、このポリマーの分子動力学計算を行い、実験結果をより明瞭にする結果を得た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Kuwabara, F.Horii et al.: "Solid-state ^<13>C NMR studies on the molecular mations for n-alkanethiol and α,ω-alkanedithial crystals"J.Mol.Struct.. 602-603. 79-87 (2002)

  • [文献書誌] H.Ishida, F.Horii: "Chain Conformation of Spaor Methylene sequences for a Liquid Crystalline Polynether As Revealed by solid-state ^<13>C NMR"Macromolecules. 34, No.22. 7751-7757 (2001)

  • [文献書誌] H.Kazi, F.Horii et al.: "One-and Two-Dimensional MAS ^<13>C NMR Analyses of Molecular Motions in Poly (2-hydroxypropyl Ether of Bisphenol-A)"Macromolecules. 34, No.18. 6318-6324 (2001)

  • [文献書誌] K.Masuda, F.Horii et al.: "Solid-state ^<13>C NMR and ^1HCRAMPS Investigations of the Hydration Process and Hydrogen Bonding for Poly (vinyl alcohol) Films"Polym.J.. 33, No.4. 356-363 (2001)

  • [文献書誌] T.Nakaoki, F.Horii et al.: "Investigation of the crystallization process of syndiotactic polypropylene quenced at 0℃ from the melt or concentrated solution"Polymer. 42. 4555-4561 (2001)

  • [文献書誌] Y.Ohira, F.Horii et al.: "Conformational changes of the Noncrystalline chains of Syndiotactic Polypropylene as a function of Temperature"Macromolecules. 34. No.6. 1655-1662 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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