研究概要 |
惑星探査ローバーでは,転倒などにより走行木能に陥ることは致命的な問題となる.そこで本研究では,'転倒'という概念が存在しない三次元的に等方な形状を持つ惑星探査ローバーについて研究する.このローバーは,正12面体の本体と12本の伸展脚を持ち,脚の伸展により移動する. 本年度は,昨年の結果を踏まえて,主に次の3点について研究を進めた 1.他の等方性形状との性能比較 正12面体形状と他の等方性形状とを比較することにより,ローバーの形状と運動能力・安定性などの関係を調べ,優位点や問題点をまとめた. 2.三次元動的挙動シミュレーションコードの開発 前年度は面内運動に対するシミュレーションコードを作成した.本年度は,二次元シミュレーションコードをつなぎ合わせることにより,擬似的に三次元の動的挙動を模擬するシミュレーションコードを作成した. 3.カメラ画像から地形を認識する方法についての検討 惑星上のローバーには自律機能が望まれ,そのためには環境を自動で認識する機能が不可欠である.そこで,カメラ画像から地形の三次元マップを作成する方法として,反射光の陰影から地形を推定するShape from Shading法とモーションステレオに基づく三次元推定について研究を進めた.それぞれの特徴を調べ,問題点を改善する手法や両者を融合した方法などを提案した. また,微小重力環境下でのローバーの挙動を実験的に模擬するための微小重力シミュレータについても,基礎的な研究を行った.
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