研究課題/領域番号 |
12460013
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤井 英二郎 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (40125951)
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研究分担者 |
多田 充 千葉大学, 自然科学研究科, 助手 (10302580)
三島 孔明 千葉大学, 園芸学部, 助手 (40292669)
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キーワード | ホルトセラピー / 園芸療法 / 認知科学的解析 / 植物栽培 / 植物 / 感情プロフィールテスト / 脳波 / 心拍変動係数 |
研究概要 |
栽培行為に伴う生理心理的反応を、栽培段階ごとに結果だけを見る被験者の反応と比較する実験と、地表面構成の違いによる生理・心理的反応の違いについて検討する実験を実施した。 プランターでハツカダイコンを育てる被験者とその結果を見るだけの被験者について、感情プロフィールテストと脳波・心拍の計測を実施した結果、植物を育てることによって負の感情が減り、正の感情が増す傾向のあること、またα波が増加する傾向のあることがわかった。しかし、自律神経系の反応指標とされる心拍変動係数には明確な違いはみられなかった。つまり、栽培行為は生理・心理的にプラスの効果をもたらすことが示唆されたが、自律神経系の反応にまでは及ばなかった。 視覚対象としての植物の生理・心理的効果については、これまで一定の研究成果が積み上がってきたが、視覚的背景となったり、空間の基本を形作る壁面や床面を構成する植物の効果についてはほとんど検討されていない。壁面を構成する植物の生理・心理的効果については、わずかに筆者らの報告があるので、本研究では床面としての地表面構成と生理・心理的反応との関係について実験的に検討した。生垣でコの字型に囲った屋外空間の地表面を芝生、地面、ブロックとし、各々でした被験者の生理・心理反応を計測した結果、感情プロフィールテストと意味微分法では快適な地表面は芝であり、ブロックは不快、土はそれらの中間という評価となった。脳波の反応は、α波割合が芝で最も低くなるグループと、逆に最も高くなるグループ、土で最も高くなるグループの3つに類型化された。そして、芝で最も高くなるグループでは芝で正の感情が高くなり、負の感情が抑制されていた。つまり、芝生でα波割合が最も高いグループでは言語を介した芝の評価も高いが、芝生でα波割合が最も低いグループと土で最も高いグループでは言語を介した評価との対応関係はみられなかった。
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