研究概要 |
1.種間雑種及び属間雑種における各病害反応性の検定と遺伝解析(伴野分担) 育成したニホンナシ'おさ二十世紀'メセイヨウナシ'Max Red Bartlett'及びそのF^1品種'大原紅'との交雑系統を用い,ナシ黒星病に対する反応性を検定した結果,'Max Red Bartlett'はナシ黒星病抵抗性遺伝子をホモ(Vn Vn)で,そのF^1品種の'大原紅'はヘテロ(Vn vn)で有し,'おさ二十世紀'×'大原紅'の交雑後代にその抵抗性が引き継がれることが明らかになった。 一方,リンゴ'ふじ'×ナシ'大原紅'との属間雑種を5系統育成し,リンゴ斑点落葉病,リンゴ黒星病,ナシ黒星病に対する検定を行なったところ,いずれの病害に対しても抵抗性を示す系統が現われた。 2.ナシの連鎖地図の作成と病害関連遺伝子の探索(千分担) 'おさ二十世紀'×'大原紅'の交雑系統90個体を用い,得られた表現形質(ナシ黒斑病反応性,ナシ黒星病反応性,赤葉形質,S対立遺伝子,アイソザイム表現型)と得られた78種類のRAPDマーカーを用いてナシの連鎖地図作成を試みた結果,'大原紅'では12連鎖群からなる全長454cMの地図が,また'おさ二十世紀'では7連鎖群からなる全長191.1cMの地図がそれぞれ作成された。
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