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2000 年度 実績報告書

分子生物学的アプローチによる球根作物の球根形成および休眠に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12460017
研究機関九州大学

研究代表者

大久保 敬  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80150506)

研究分担者 尾崎 行生  九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (60253514)
宮島 郁夫  九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (20182024)
キーワード球根 / 休眠 / 球形成 / アプシジン酸
研究概要

ヒアシンス(Hyacinthus orientalis L.cv.Delft Blue)の球根内葉原基由来のシュートを,8週間の5℃暗黒処理後,25℃連続照明下で培養すると,処理後4週間で70%以上の外植体が球根を形成したが,無低温処理区では20%以下であった.次に,ABAを添加すると,無低温処理区であっても,10週目以降に球根形成が始まり,1mgl^<-1>処理で球根形成率が75%と最も高くなった.また,ABA生合成阻害剤であるフルリドンを添加すると,低温処理区であっても球根形成率は0〜45%と非常に低くなった.さらに低温処理区においてのみ,処理直後から4週目にかけて内生ABAが増加しており,球根形成率が増加する時期と一致していた.以上より,球根形成は低温によって誘導され,ABAの制御下にあることが明らかになった.本実験により,(1)低温処理または(2)無低温処理下でのABA処理による球根形成条件および(1)無低温処理または(2)低温処理後のフルリドン処理による非球根形成条件を確立することができた.
次に,外植体を5℃暗黒下または25℃連続照明下で8週間培養後,全RNAを抽出し,cDNAを合成した.得られたcDNAを鋳型として,20種類のランダムプライマーを用いたPCR反応を行い,PCR増幅産物のディファレンシャルディスプレイを試みた.低温処理区で特異的に発現する断片が8プライマーでみられた.一方,無低温処理区に比べ,低温処理区で発現が弱くなる断片が6プライマーでみられた.これらのPCR増幅断片は,低温処理によって消長する遺伝子の候補断片と考えられる.低温処理直後の外植体に形態変化は生じていないが,特異的な発現遺伝子のPCR増幅断片は認められたことから,低温処理による遺伝子発現調節は球根形成の非常に初期の段階,もしくは前段階で既に開始されていることが考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 伊井香織,大久保敬,尾崎行生,中野雄司: "低温処理により発現誘導されるヒアシンス球根形成遺伝子のディファレンシャルディスプレイ法による探索"園芸学会雑誌. 69別1. 141 (2000)

  • [文献書誌] 伊井香織,大久保敬,松本智美: "分子生物学的アプローチにむけたヒアシンスの球根形成制御-温度および植物生長調整物質の影響"園芸学会雑誌. 69別1. 142 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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