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2000 年度 実績報告書

植物防御応答遺伝子の発現を誘導する転写因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12460023
研究機関岡山大学

研究代表者

一瀬 勇規  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50213004)

研究分担者 豊田 和弘  岡山大学, 農学部, 助手 (50294442)
キーワード防御応答 / エリシター / 転写因子 / Dofタンパク質 / ジンクフィンガー
研究概要

エンドウ褐紋病菌由来のエリシターを処理したエンドウ胚軸から発現が誘導される遺伝子のcDNAとしてクローンE84を単離した。E84は全長1269塩基からなり283アミノ酸から構成される31.6kDaのタンパク質をコードすると推定された。推定アミノ酸配列からE84はアミノ末端付近に近年植物特有の転写因子であるDofタンパク質に属す新規転写因子であることが判明した。E84は傷あるいはエリシター処理でその発現が誘導され、エンドウ褐紋病菌由来の病原性因子サプレッサーでその発現が抑制された。E84cDNAを発現ベクターに組込み大腸菌を用いてグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との誘導タンパク質を生産した。本組換えタンパク質を用いて、E84の結合するDNA塩基配列を調べたところ、AAAGをコアとする配列に結合することが明らかとなった。E84の発現がエリシターで誘導されることからE84はエリシターで転写誘導される防御遺伝子の正の転写制御因子と考えられた。そこでエリシター誘導性のエンドウCHS遺伝子のプロモーターを分割し、結合実験を行ったところ、AAAG配列を有するDNA断片だけがE84/GST融合タンパク質と複合体を形成した。本複合体の形成はGST単独では起こらなかった。更にE84遺伝子を単離したところ、そのプロモーターにも多くのAAAG配列が存在し、E84はAAAG配列を有するDNA断片に特異的に結合することが明らかになった。しかしながら、E84発現型プラスミドをCHS promoter/CATキメラ遺伝子あるいはE84 promoter/CATキメラ遺伝子と共にエンドウプロトプラストに導入してもレポーター遺伝子の発現は高くならなかったことより、E84単独では転写活性可能はないものと判断した。そこで、トウモロコシのDofタンパク質では異なる二つのDofタンパク質が複合体を形成することが知られているため、Dofドメインに保存されたアミノ酸配列からプライマーをデザインし、新たに6種類のDofドメインを有するタンパク質のcDNAを単離した。現在それらの完全長cDNAの構造解析をすすめると共に各々の発現を調べている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y.Imura, et al.: "Importance of AC-rich element on pea phenylalanine ammonia-lyase gene 1 promoter for expression induced by nonpathogen attack."J.Gen.Plant Pathol.. 66(2). 123-127 (2000)

  • [文献書誌] Y.Imura et al.: "Contrary operations of Box-I element of pea phenylalanine ammonia-lyase gene 1 promoter for organ-specific expression."Plant Physiol.Biochem.. 39(5)(in press). (2001)

  • [文献書誌] M.Sasabe et al.: "Independent pathways leading to apoptotic cell death, oxidative burst and defense gene expression in response to elicitin in tobacco cell suspension culture."Eur.J.Biochem.. 267(16). 5005-5013 (2000)

  • [文献書誌] T.Yamada et al.: "Regulation of nuclear gene expression in relation to signal molecules. In Delivery of Pathogen Signals to Plants (N.T.Keen ed.)"APS Press (St.Paul Minnesota, USA). 10 (2001)

  • [文献書誌] T.Shiraishi et al.: "Suppressors of defense-Supprescins and Plant receptor molecules. In Delivery of Pathogen Signals to Plants, (N.T.Keen ed.)"APS Press (St.Paul Minnesota, USA). 10 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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