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2002 年度 実績報告書

昆虫の体色多形性制御とプロフェノールオキシダーゼ活性化機構

研究課題

研究課題/領域番号 12460026
研究機関信州大学

研究代表者

木口 憲爾  信州大学, 繊維学部, 教授 (50262697)

研究分担者 芦田 正明  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (50012422)
梶浦 善太  信州大学, 繊維学部, 助教授 (10224403)
白井 孝治  信州大学, 繊維学部, 助手 (00293499)
小林 正彦  東京大学, 農学部, 教授 (60162020)
キーワードカイコ / エビカラスズメ / 顆粒フェノールオキシダーゼ / 体色変化 / メラニン / フェノールオキシダーゼ前駆体 / カロチノイド結合タンパク質 / ドーパデカルボキシラーゼ
研究概要

1).本年度はカイコ幼虫斑紋の着色に関与する顆粒フェノールオキシダーゼ(PO)の性質を調べ、活性化機構について追究した。顆粒POはSDS-PAGEで分子量を推定したところ約78,000であった。またゲル濾過法でもほぼ同程度の大きさであると推定され、体液中に存在するフェノールオキシダーゼ前駆体がヘテロ2量体であるのとは異なり、顆粒POは単量体であると推定される。次に至適pHを調べたところ、'pH6.5〜7.5の中性付近に高い活性を持つことが明らかになった。基質との親和性を調べた結果、ドーパミンに対し高い親和性を有し、DOPAのそれと比較し約5倍高い値を示した。つぎに活性制御機構について追究した。精製された顆粒POは不活性型であることから、体液POと同じく不活性な状態で合成され、その後、クチクラ中に分泌されると考えられる。そこで、クチクラ中に存在し、体液のPO前駆体を活性化する酵素(PPAE)により活性化されるかどうか調べた。その結果、PPAEでは顆粒フェノールオキシダーゼは活性化されないことが明らかになった。よって、両者の活性化メカニズムは異なることが予想される。また顆粒POは黒色化する幼虫のみに活性が認められることから、クチクラの硬化にも関与しないことが推察された。
2).エビガラスズメ緑色幼虫の体色発現に関与する真皮細胞カロチノイド結合タンパク質(eCBP)の性質についてもさらに追究した。単離したeCBPのmRNAは真皮細胞の他、囲心細胞で発現が認められた。eCBP遺伝子は緑色幼虫の真皮細胞で発現が認められたが、眠期には発現が認められないこと、黒色幼虫においてもほとんど発現していないことが明らかになった。すなわち、顆粒POとは逆に黒色化に伴い、発現が停止することが明らかになった。また、eCBPのゲノム中のコピー数をサザンプロット法で解析したところ、1コピーであることが示唆された。
3).昆虫の脱皮・変態の鍵となるドーパデカルボキシラーゼ遺伝子を天蚕等の野蚕やエビガラスズメからクローニングするため、PCR法でゲノムDNAから増幅した。用いたプライマーはカイコとタバコスズメガのDDCcDNA塩基配列を基に設計した。5種類の昆虫から約2kbpの断片が得られ、塩基配列を決定したところ、それらは3つのエクソンと2つのイントロンから成ることが判明した。コードされるアミノ酸配列は保存性が高く、73%以上であり、キイロショウジョウバエと比較しても63%以上であった。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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