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2001 年度 実績報告書

篩部伴細胞での遺伝子発現制御が植物体内の物質長距離移行に及ぼす影響の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12460029
研究機関東京大学

研究代表者

林 浩昭  東京大学, 大学院・農学生命科学研究所, 助教授 (60180973)

研究分担者 藤原 徹  東京大学, 大学院・農学生命科学研究所, 助手 (80242163)
山谷 知行  東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30144778)
キーワード篩管 / 伴細胞 / 遺伝子発現 / イネ / 転流 / 長距離移行
研究概要

本申請研究では,篩管内あるいは伴細胞内に存在するタンパク質の同定を進め,これらの伴細胞-篩管間移行および篩管内移行過程を明らかにすること、また,伴細胞特異的にこれらの発現レベルを変化させた形質転換植物を作成し,篩管内における目的タンパク質量の変化を明らかにし,このことに伴っておこる篩管転流の量的質的変化を追跡することを目的としている。
1.伴細胞で発現させたタンパク質の篩管への移行過程の追跡----成熟葉で篩部伴細胞で強い発現を示すプロモーターであるイネチオレドキシンhプロモーターの下流に、外来タンパク質をコードする遺伝子を連結し、これをイネに導入した。形質転換イネより、インセクトレーザー法により、純粋な篩管液を採取し、発現した外来タンパク質がどのくらいの濃度で篩管内に存在しているかを測定した。また、同じ植物の葉の可溶性タンパク質を抽出し、同様に導入遺伝子産物含量を求めた。あるタンパク質の篩管内濃度をそのタンパク質の葉での存在量で割った値は、このタンパク質が伴細胞から篩管への移行の程度を表す指標となると考えた(対象としているタンパク質は伴細胞に多く存在しているので)。この値を、内在性筋管タンパク質と比べると、外来タンパク質は有為に小さな値を持つことが分かった。このことは、内在性の篩管液タンパク質は、積極的に篩管内へ放出されていくことを示唆している(一部論文作成中)
2.篩管タンパク質の同定と機能
篩管内に存在するタンパク質の同定は,インセクトレーザー法により得られた純粋な篩管液を大量に(1ml程度)採取し,そのタンパク質を2次元電気泳動で分離した後,それぞれのタンパク質のN端アミノ酸配列を明らかにする手法を用いた。これまで同定された篩管液タンパク質のうち、31kDaのタンパク質は、地上部の伴細胞と篩管に局在することが明らかになった。また、篩管内の方が、伴細胞よりも高濃度に存在していることが分かった。このことも1の結果と同様に、内在性の篩管タンパク質が積極的に篩管へ放出されていることを示唆している(論文作成中)。
以上の様に、伴細胞から篩管へのタンパク質の移行は、単なるリークではなく、より積極的な理由が存在していると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yamaya, et al.: "Genitic maniputlation and quantitative-trait loci mapping for nitrogen recycling in rice"J. Exp. Bot. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Saze, et al.: "Thioredoxin mediated reductive activation of a protein kinase for the regulatory phosphorylation of C4-form phosphoenolpyruvate carboxylase from maize"Plant Cell Physioligy. 42・12. 1295-1302 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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