研究課題/領域番号 |
12460035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
森 春英 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80241363)
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研究分担者 |
福士 幸治 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (60218906)
木村 淳夫 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90186312)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | α-グルコシダーゼ / グリコシダーゼ / 分子進化 |
研究概要 |
本研究は、α-グルコシダーゼが一次構造・基質認識を異にする2つのファミリー(I型とII型)からなること(収斂進化)、さらに各々の相同酵素が存在すること(発散進化)に着目した。この事実は、両ファミリーの構造・機能に関する知見が、他のグリコシダーゼに適用できることを暗示している。本課題の目的は、ファミリー間の基質認識・機作の相違をアミノ酸レベルから分子解剖し、得た知見を相同酵素に発展させることである。1)I型酵素に自殺酵素法と点突然変異法を適用させ、解離型の触媒基を含む3つの触媒アミノ酸の推定に成功した。II型酵素においても同手法で解離型触媒基を決定し、さらにプロトン供与型の触媒残基を初めて明らかにした。II型酵素の相同酵素であるα-キシラナーゼの遺伝子発現に成功した。前述の触媒基が作動していると判断された。2)II型酵素において、基質のグリコンやアグリコンの認識を行う数個のアミノ酸を解明した。グリコンの水酸基への認識を解析するため、各々の水酸基のデオキシ基質を合成した。II型酵素のみが2-デオキシ基質に作用できた。グルカール水和反応の相違(II型のみが水和)からも2位水酸基の認識が両酵素群で異なることが推定できた。I型酵素と相同のα-アミラーゼにおいて基質結合に重要なMet残基を決定した。3)立体構造が未知のII型酵素の結晶を得た。4)C-1水素を重水素にした基質を合成し、同位体効果を観察した。反応の遷移状態にオキソカルベニウム中間体の存在が示唆された。5)本計画により両ファミリーにおける基質認識や機作の相違を構造の視点で分子解析できた点は大きな成果であり、さらに相同酵素においてα-グルコシダーゼで得られた分子レベルの知見が適用可能であることが判明した。
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