| 研究課題/領域番号 |
12460036
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| 研究機関 | 日本大学 |
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研究代表者 |
水野 重樹 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90112903)
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| 研究分担者 |
荻原 淳 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (50256830)
加藤 順 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (80130467)
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| キーワード | ニワトリ / W染色体 / Z染色体 / Wpkci遺伝子 / chPKCI遺伝子 / spindlin遺伝子 / MHM(雄特異的高メチル化)領域 / ND10 |
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| 研究概要 |
1)ニワトリ雌5日胚のcDNAサブトラクション(雌-雄)ライブラリーからW染色体の短腕末端部に局在するWpkci遺伝子のcDNAクローンを取得した。また、このカウンターパート遺伝子chPKCI(chicken protein kinase C interacting protein)がZ染色体長腕の動原体近傍に存在することを見いだした。WpkciはPKCI機能に必須とされるHITモチーフを欠くがPKCIの2量体形成部位はよく保存されているので、WpkciとPKCIのへテロ2量体形成の可能性が考えられ、これが初期胚においてPKCI機能を妨げるために雌への性決定が誘導されるというモデルを提唱した。これを実証すべく、Wpkci,chPKCIをFLAGタグを付加して酵母でタンパク質として発現させる実験を進めている。一方、W染色体短腕末端の約480kbの非反復配列域をクローンニングし、これにエキソントラップ法を適用してスピンドリン遺伝子(chSpin-W)を見いだした。さらにZ染色体の長腕動原体近傍にこのカウンターパート遺伝子chSpinZを見いだした。両遺伝子の3′非翻訳領域の配列相同性が79%であることを利用して、この部位をプローブとして解析を行い、W、Z染色体上の両遺伝子が転写活性をもつことを示した。chSpinZの発現はいろいろな組織で見られたがchSpinWの発現は卵巣卵胞の体細胞組織で特に顕著で卵細胞では認められなかった。GFP-融合またはFLAGタグ付加chSpinWをニワトリ雌初期胚由来の繊維芽細胞中で発現させたところ、分裂間期には核内のND10ドットにSUMO-1とともに局在したが、分裂期には染色体上に移行するという動的な局在変化が観察された[Y.Itoh et al.Chromosome Res.in press(2001)]。 2)ニワトリZ染色体短腕中部に2.2kb BamHI単位が約210回縦列反復した領域を見いだした。この領域は雄の2本のZ染色体上ではCpG配列中のシトシンが高度にメチル化されて転写されないが、雌の1本のZ染色体上では低メチル化状態で、一方のDNA鎖のみから約9.5kbの分子量的に不均一なnon-coding RNA(MHM-RNA)が組織非特異的に転写されることを示した。MHM-RNAは核内の転写部位に集積すること、この集積部位はZ染色体上で近接するDMRT1遺伝子の核内局在部位に接していることからDMRT1遺伝子が孵化後の雌ニワトリでは転写不活性状態を維持することに関与する可能性が考えられた.また、MHM領域の雄特異的高メチル化状態は受精後約1日以内に確立することから、哺乳類におけるゲノミックインプリンテイングやX不活化におけるXist RNAの転写制御とは異なる現象であることが示された[M.Teranishi et al. Chromosome Res.in press(2001)]。
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