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2001 年度 実績報告書

鳥類の性決定・性分化に関わるZ、W性染色体上の遺伝子の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 12460036
研究機関日本大学

研究代表者

水野 重樹  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90112903)

研究分担者 荻原 淳  日本大学, 生物資源科学部, 助手 (50256830)
加藤 順  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (80130467)
キーワードニワトリ / BACライブラリー / Wヘテロクロマチン / クロモボックスタンパク質 / ヌクレオソーム / PCR性判別法 / 雌マイナス雄サブトラクションcDNAライブラリー / W染色体
研究概要

1)雌ニワトリゲノムBACライブラリーの4次元PCR法によるスクリーニング:ニワトリ4日胚の雌マイナス雄サブトラクションcDNAライブラリーをマクロアレイ化して、約5000クローンから雌特異的に発現するW染色体由来と考えられる約60クローンを選別して、解析を進めている。これらのcDNAの遺伝子クローンをBACライブラリーから取得するため、放射性プローブを用いない、4次元PCR法によるスクリーニング法を確立した。この方法は、49,152BACクローンを8つのスーパープールに分け、各プール中のクローンを4次元的に混合して37DNAサンプルを調製、ライブラリー全体から296DNAサンプルを調製してPCRの鋳型とするもので、いくつかの遺伝子について確実にBACクローンが選別出来ることを確認した(Poultry Sci.投稿中)。
2)ニワトリのWpkci遺伝子(W染色体由来)、PKCI遺伝子(Z染色体由来)のタンパク質生産:鳥類の性決定に関与する可能性のある、これらの遺伝子のタンパク質機能を解析するため、酵母でHis-タグ、FLAG-タグ付加型のタンパク質として分泌生産を行っている。現在まで、抗体反応で確認できるタンパク質の分泌は認められており、大量生産と精製法の確立を目指している。
3)ニワトリWヘテロクロマチンの分子構築の解析:XhoIファミリー、EcoRIファミリー反復配列が核内で形成するWヘテロクロマチンの構築にニワトリのクロモボックスタンパク質CHCB1がどのように関与しているかを解析している。これまでにHis-タグ付加CHCB1がC末側のクロモシャドウドメインを介して2量体を形成すること、これに赤血球核から調製したジヌクレオソーム(dinuclosome)を加え、ホルムアルデヒド架橋すると、複合体形成が認められ、複合体に含まれるジヌクレオソームと複合体を形成しないジヌクレオソームからDNAを抽出してPCRに供した結果、XhoIファミリー配列は複合体中のジヌクレオソームに濃縮されるが、GAPDH遺伝子配列は複合体を形成しないジヌクレオソームに濃縮されることが示され、CHCB1がXhoIファミリーを含むヌクレオソームと相互作用してWヘテロクロマチン構築に関与することが示唆された。
4)ニワトリW染色体上のEE0.6配列および他種鳥類におけるその関連配列をもとにした、PCRによる鳥類性判別法の確立:EE0.6は偽遺伝子様の非反復配列であるが、多くの鳥類種のW染色体上に保存されている。この配列を12種の鳥類からクローニングして、塩基配列を決定し、6種類のPCRプライマーセットを設定した。これらを適用して、16目、36種の深胸類鳥類種のPCRによる性判別が確実に行えることを示した[Itoh,Y.et al.,J.Hered.,92:315-321(2001)]。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Atsuko Niimi: "Co-localization of chicken DNA toposiomerase IIα,but not β,with sites of DNA replication and possible involvement of a C-terminal region of α through its binding to PCNA"Chromosoma. 110. 102-114 (2001)

  • [文献書誌] Y.Itoh: "Identification of the sex of a wide range of Carinatae birds by PCR using primer sets selected from chicken EE0.6 and its related sequences"Journal of Heredity. 92. 315-321 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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