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2001 年度 実績報告書

枯草菌における分泌蛋白質と膜蛋白質の識別と局在化のネットワーク

研究課題

研究課題/領域番号 12460037
研究機関筑波大学

研究代表者

山根 國男  筑波大学, 生物科学系, 教授 (20013336)

研究分担者 中村 幸治  筑波大学・生物科学系 (40212097)
キーワード枯草菌 / 膜タンパク質 / 分泌タンパク質 / SRP / タンパク質の局在化 / ネットワーク
研究概要

枯草菌および類縁菌はデンプン糖化用α-アミラーゼや洗剤用プロテアーゼ、セルラーゼ生産菌として産業的に利用されてきた。これら有用酵素のより高い生産性や異種生物に由来する有用蛋白質の分泌生産への利用を目的として、分泌蛋白質と膜蛋白質との識別と局在化の分子機構およびそのネットワークを解析している。枯草菌では1997年に全遺伝子の塩基配列が決定され、コンピュータ解析と二次元ゲル電気泳動による解析で約180種類のタンパク質が培地中に分泌生産することを明らかにした。次にタンパク質分泌装置および膜タンパク質については解析を進めて居り、分泌蛋白質と膜蛋白質局在化のネットワークを研究できる所まで来た。
(1)in vitro系を用いて、タンパク質分泌系で作用する細胞膜通過装置を構成するSecAタンパク質とシグナル認識粒子のFfhタンパク質が結合できることを明らかにした。次に分泌タンパク質前駆体pAprEまたはpPBP5^*とSecAとの結合は前駆体タンパク質とFfhとをあらかじめ反応させておくことによって、15-30倍増加することを明らかにした上で、前駆体タンパク質とFfhを反応させる際に、特定のFfh変異体を使用するとSecAと前駆体タンパク質との結合を増加させる活性はほとんど無くなることを明らかにした。
(2)タンパク質分泌系で作用するFtsYタンパク質(ヒト細胞におけるSRP受容体SRα相同因子)の遺伝子発現・制御機構を解析した結果、ftsY遺伝子が胞子形成時にも強く発現していることを明にした。胞子形成時にftsYの発現がなくなる条件欠損変異株を作成して解析したところ、欠損条件下では胞子アウターコートが薄くなり、変則的であった。またタンパク質のうちCotA,CotB,CotEが変化を起していることを明かにした。
(3)コンピュータソフトウェアSOSUIおよびP-SORTを利用して、枯草菌の全遺伝子産物4,100種類を解析し、その1/4にあたる約1000種類が細胞膜タンパク質であると推定し、種々の可溶化条件で細胞膜タンパク質を抽出し、一次元および二次元ゲル電気泳動法で解析した。さらにMULDI-TOFMSによって約500種類の蛋白質を同定した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hiroshi Kakeshita: "Effect of Depletion of FtsY on spore morphology and the protein composition of the spore coat layer Bacillus subtilis"FEMS Microbiol. Lett.. 195. 41-46 (2001)

  • [文献書誌] Ryuta Kanai: "Crystal strucure of cyclodextrin glucanotransferase from an alkalophilic Bacillus sp.1011 complexed with 1-deoxinojirimycin at 2.0Å resolution"J.Biochemistry. 129. 593-598 (2001)

  • [文献書誌] Kouji Nakamura: "Minimal functional structure of Eschericia coli 4.5S RNA required for binding EF-G"J.Biol.Chem.. 276. 22844-22849 (2001)

  • [文献書誌] Yoshinari Ando: "Expression of a small RNA,BS203 RNA,from the yocI-yocJ intergenic region of Bacillus subutilis genome"FEMS Microbiol.Lett.. 197(印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 山根國男: "分子シャペロンによる細胞機能制御"シュプリンガーフェアラーク東京株式会社. 2 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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