研究課題/領域番号 |
12460042
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
青野 力三 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (30126643)
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研究分担者 |
道久 則之 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (60302957)
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キーワード | 大腸菌 / 有機溶媒耐性 / AcrAB-TolC排出ポンプ / sox-marレギュロン遺伝子 / marA / rob / soxS |
研究概要 |
大腸菌には、細胞内に取り込まれた薬剤などを排出するポンプ群が複数存在する。AcrAB-TolCポンプはプロトン駆動力によって駆動され、細胞内に取り込まれた薬剤および有機溶媒分子などの疎水性異物を排出する。大腸菌の有機溶媒耐性は、このポンプの機能に依存している。本ポンプは、近年問題視されている多剤耐性にも関与している。AcrAB-TolCポンプは、内膜に存在するAcrBタンパク、ペリプラズムに存在するAcrAタンパク、外膜に存在するTolCタンパクによって構成されている。本ポンプの基質特異性を決定しているのは、内膜に存在するトランスポーターAcrBタンパク質であると考えられる。したがって、acrB遺伝子に対して変異処理を施すことによって、AcrBタンパクの有機溶媒排出機能を向上させることが可能であると期待される。さらに、機能を改変したAcrBを用いて、大腸菌の有機溶媒耐性を向上させることが可能であると期待される。 大腸菌からクローニングしたacrAB遺伝子より、acrB遺伝子を低コピーベクターpMW118にサブクローニングした。現在、DNAシャッフリング法によりacrB遺伝子にランダム変異を導入している。サブクローニングしたacrB遺伝子によって大腸菌を形質転換したところ、宿主大腸菌の生育を低下させることが認められた。変異処理後に目的とする変異クローンを選択するためには多数のクローンを必要とする。そのためには、acrB遺伝子による形質転換効率を高める必要がある。多数の形質転換体クローンを得るために、形質転換法について検討している。
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