研究課題/領域番号 |
12460046
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
川崎 東彦 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (70081578)
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研究分担者 |
西村 篤夫 大阪府立大学, 先端科学研究所, 講師 (70090454)
岸田 正夫 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (90211193)
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キーワード | ダラポン / ダイアジノン / プラスミド / トランスポソン / 農薬 / デハロゲナーゼ / 脱ハロゲン酵素 / チオリン酸エステラーゼ |
研究概要 |
in situバイオリメディエーション実施例の約80%は栄養塩散布などによる土着微生物の活性化(biostimulation)で、分解微生物の導入(bioaugumentation)例は少ない。その主な理由は、導入微生物が汚染現場に馴染まず、分解機能の発揮や定着が難しいためで、導入微生物の現場適応技術の開発が課題となっている。その打開策の一つとして、プラスミドやトランスポソンの伝達能や転移能を利用して、導入微生物の分解能を汚染現場に棲息する微生物に水平拡散させ、機能させる戦略が考えられる。本研究では有機塩素化合物や農薬を分解する微生物を広く探索し、分解能を担うプラスミドやトランスポソンを検索すると共に、分解能遺伝子をクローン化し、広宿主域プラスミドへの組み込みやトランスポソン機能の付与を図ることを目的とした。 非天然化合物として有機塩素系除草剤ダラポン(2,2-ジクロロプロピオン酸)と、有機リン系殺虫剤ダイアジノンをターゲットとし、土壌より分離した各分解菌の分解能に関わるプラスミド、トランスポソンを検索・解析した。 (1)ダラポン分解 土壌より分離した分解菌はPseudomonas sp.(16S rDNA解析ではBurkholderia sp.)と同定された。本菌にはダラポンを脱塩素化し、ピルビン酸に変換するデハロゲナーゼが存在した。この酵素は本菌の有する約50kbのプラスミドに支配されていることを確認した。デハロゲナーゼ遺伝子をクローニングし、その塩基配列を解析した。 (2)ダイアジノン分解 分離した分解菌はFlavobacterium sp.(16S rDNA解析ではSphingomonas sp.)と同定された。本菌にはダイアジノンを分解して2-isopropyl-6-methyl-4-pyrimidinolに変換するチオリン酸エステラーゼが存在した。本菌には約50kbのプラスミドが存在したが、ダイアジノン分解には関与していないことが分かった。ゲノムDNAより酵素遺伝子をクローニングし、塩基配列を解析した。遺伝子の下流に挿入配列IS6100の存在を確認した。
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