研究課題/領域番号 |
12460047
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研究機関 | 青森大学 |
研究代表者 |
松澤 洋 青森大学, 工学部, 教授 (00011966)
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研究分担者 |
伏信 進矢 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00302589)
若木 高善 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70175058)
上家 勝芳 青森大学, 工学部, 助手 (70275519)
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キーワード | Thermococcus litralis / 4-α-グルカン転移酵素 / 触媒残基 / X線結晶構造解析 / 多波長異常分散法 / セレノメチオニン標識 / α / β構造 / 古細菌 |
研究概要 |
(1)超好熱性古細菌Thermococcus litralisの4-α-グルカン転移酵素(GTase)の触媒残基の解析:本酵素は人工基質3-Ketobutylidene-β-2-chloro-4-nitrophenyl-maltopentaoside(3KBG5CNP)を供与体、グルコースを受容体とした糖転移反応を行う。したがって、受容体基質の非存在下では3KBG5CNPは本酵素と比較的安定な反応中間体を形成すると考えられる。そこで、この条件下で本酵素の求核性触媒残基を3KBG5CNPで標識し、その後ペプシンによって完全分解し、生成した切断ペプチドをMALDI-TOFMSによって解析した。その結果、本酵素が属するファミリー57の一群の酵素で完全に保存されているGlu123を含む10残基のペプチドが修飾された。Glu123をグルタミンに置換したところ、酵素活性は大幅に低下した。これらの結果から、Glu123が本酵素の求核性触媒残基であることがわかった。 (2)多波長異常分散法を用いたX線結晶構造解析:大腸菌のメチオニン要求性株を宿主とするGTase遺伝子の発現系により、セレノメチオニン標識した酵素を得た。硫安とPEG400を沈殿剤として微小な六角柱状の結晶が得られた。この結晶を用いて、SPring-8のBL45XUにおいて三波長の回折データを測定し、多波長異常分散法により解析した。現在精密化を行っているところであるが、本酵素は二つのドメインからなり、N末端ドメインはα/β構造(TIMバレル構造とは異なる)、C末端ドメインはβ構造を形成していた。N末端ドメインには大きなクレフトが存在し、クレフト内部に触媒残基のGlu123が位置していた。
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