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2001 年度 実績報告書

4-α-グルカン転移酵素の結晶構造と新規環状糖生成機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12460047
研究機関青森大学

研究代表者

松沢 洋  青森大学, 工学部, 教授 (00011966)

研究分担者 伏信 進矢  東京大学, 大学院・農学生命科学科, 助手 (00302589)
若木 高善  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70175058)
上家 勝芳  青森大学, 工学部, 助手 (70275519)
キーワード4-α-グルカン転位酵素 / サイクロアミロース / X線結晶構造解析 / グリコシドロラーゼ・ファミリー / 多波長異常分散法 / TIMバレル構造 / 基質・酵素複合体構造 / 古細菌
研究概要

超好熱性古細菌Thermococcus litoralisの4-α-グルカン転位酵素(GTase)はグリコシドヒドロラーゼ・ファミリー57に属する酵素で、分子間転移反応によってマルトオリゴ糖の重合度不均化反応を触媒するほか、分子内転移反応によってグルコース重合度16から数百の環状α-1,4-グルカン(サイクロアミロース)を生成する。本研究においてGTaseの結晶構造の解明に成功した。この立体構造はグリコシドヒドロラーゼ・ファミリー57の酵素では最初に決定されたものである。セレノメチオニンで標識したGTaseの結晶を用いて、西播磨SPring-8のBL45XUにおいて3波長の回折データを測定し、多波長異常分散法によって位相を決定し、立体構造を決定した。GTaseはN末端ドメインとC末端ドメインの二つのドメインからなっていた。N末端ドメインはTIMバレル構造に類似したα/β構造をとっていたが、通常のTIMバレル構造と異なりβシートは閉じておらず、そして末端のβストランドは逆平行になっていた。この構造はこれまで知られていない新規の構造であった。N末端ドメインには大きなクレフトが存在し、クレフト内部には触媒残基の一つであるGlu123が位置していた。Glu123と向き合った位置にファミリー57酵素内で完全に保存されている残基であるAsp214があり、これがもう一つの触媒残基であると推定された。C末端ドメインは特徴的なβサンドイッチ構造を有していた。この構造はこれまで大腸菌βガラクトシダーゼなど3種類のタンパク質で報告されているが、その機能は不明である。
さらに、基質類似体アカボースとの酵素複合体の結晶構造を決定することができた。活性部位クレフトを覆うループが存在し、このループがサイクロアミロースの生成に重要な役割を果たしていると思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Imamura, S.Fushinobu, B-S.Jeon, T.Wakagi, H.Matsuzawa: "Identification of the Catalytic Residue of Thermococcus litoralis 4-α-Glucanotransferase through Mechanism-Based Labeling"Biochemistry. 40・41. 12400-12406 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2013-12-05  

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