研究課題/領域番号 |
12460047
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 青森大学 |
研究代表者 |
松澤 洋 青森大学, 工学部, 教授 (00011966)
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研究分担者 |
伏信 進矢 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00302589)
若木 高善 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70175058)
上家 勝芳 青森大学, 工学部, 助手 (70275519)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 4-α-グルカン転移酵素 / サイクロアミロース / X線結晶構造解析 / 結晶構造 / グリコシドヒドロラーゼ・ファミリー / アカボース / 基質・酵素複合体構造 / 古細菌 |
研究概要 |
超好熱性古細菌Thermococcus litoralisの4-α-グルカン転位酵素はアミノ酸残基659個からなる。本酵素は分子間転移反応によってマルトオリゴ糖の重合度不均化反応を触媒するほか、分子内転移反応によってグルコース重合度16から数百の環状α-1,4-グルカン(サイクロアミロース)を生成する。本研究により以下のことが明らかになった。 1.本酵素はN末端ドメインとC末端ドメインの2つのドメインからなっていた。N末端ドメインはTIMバレル構造に類似したα/β構造をとっていたが、通常のTIMバレル構造と異なりβシートは閉じておらず、そして末端のβストランドは逆平行になっていた。この構造はこれまで知られていない新規の構造であった。 2.本酵素の触媒残基はGlu123とAsp214で、それぞれ求核触媒基と酸塩基触媒基として働くと考えられた。N末端ドメインには大きなクレフトが存在し、これら触媒基はクレフト内部で向きあって位置していた。 3.基質類似阻害剤アカボースと本酵素との複合体の結晶構造を決定した。本酵素は非対称結晶単位中に2分子存在していた。アカボースは、一方の酵素分子のサブサイト-1〜+3に、活性中心クレフトを覆う6残基からなるループを巻くように結合していた。このループを欠失した変異型酵素では、生成するサイクロアミロースの最低重合度16は変わらなかったが、全体として重合度は低い方に移行した。したがって、このループの存在が高重合度サイクロアミロースの生成に重要であることが示唆された。 4.他方の酵素分子の活性中心にはTris分子が結合しており、アカボースは結合していなかったが、サブサイト-7〜-6に相当するクレフトの末端部分にマルトースが結合していた。このように、活性中心から離れたところにも基質結合部位が存在することが、サイクロアミロースを生成する要因であると考えられる。
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